箱根駅伝注目校の指揮官にお話を聞く、NumberPREMIERオリジナル動画の動画シリーズ「監督、根掘り葉掘り」。駿河台大学の徳本一善監督をお迎えしました。
前々回の98回大会、徳本監督は就任15年目で駿河台大学を初の箱根路に導きました。すると駿河台大学は「初出場」という目新しさだけでなく、指揮官の飾らない言葉、そして教員になった後に大学に入り直した今井隆生選手の存在などで大きな話題になりました。
ただ、昨年度チームは低迷。箱根駅伝経験者が複数人残ったにもかかわらず、予選会では19位と惨敗してしまいます。今季も「誰もうちが予選会を通過すると思ってなかった」(徳本監督)という状況だったそうですが、夏合宿以降に練習内容を個別にしたことでチームが右肩上がりに急成長。予選会では12位で見事に箱根駅伝への切符を掴みました。
個性派指揮官の率いるチームは、どのように進化を遂げたのか。内部ではキャプテン・新山舜心選手(4年)の私生活も含めての改革が功を奏したものの、それに対する激しい反発などもあったとのこと。徳本監督は赤裸々に振り返ります。
「今季は新山キャプテンの力がものすごく大きかったと思います。僕は彼と、チームをどういう方針で行くのか、と頻繁にコミュニケーションをとってきました。時にぶつかりましたけど、目標=箱根駅伝で勝負したい、というのは同じなので(最後は一致できた)。新山の口癖は『去年の(予選会)19位のようになりたくない』。つまり箱根駅伝に出た一つ上の強い世代、去年の4年生の否定ですよね。だから最初はチーム内でも新山が1人で戦ったんではないかな、と。キャプテン批判もかなり出ていました」
そこで生まれたチーム内のわだかまり、争いについては、徳本監督は「どこの大学にでもあることだと思うんですけど、僕の性格もあるのか、ウチのチームは荒かった(笑)」と振り返る。
「新山の言葉も結構キツくて。お前、世の中に出たら相当批判を喰らうよね、というぐらい、嫌なことも言っていたし。『辞めろ』っていう言葉が強烈で、言われた選手にしたら『そういう言い方はないだろ』と。それを録音していたやつがいて…。新山も自分の言葉が酷かったことはわかっているし、俺もそれを聞いた時には『これは勘違いされるよ』『これは違うよ』という話をしました。でも、彼がなんで追い詰められてそこまでの言葉を発したのか、時系列を見ていたら理解できるんですよ。だからこれで退部とかいうことには絶対にしない、と伝えました」
そのほか、動画のインタビューでは
●予選会通過後の「劇的なチームの変化」
●「20人退部」辞めた後も応援している
●「箱根から世界へ」だけが生き方じゃない
●青学大・原晋監督を尊敬する理由は?
●プロ意識を感じる大迫傑と佐藤悠基
●箱根駅伝人気は「今がピーク」と考えるわけ
などなど、さまざまなテーマでお話を聞きしました。
こちらが「根掘り葉掘り」聞かなくても、指導者としての哲学について具体的エピソードとともに語ってくれた「徳本ワールド」全開の68分、お楽しみください。
◆概要
出演: 駿河台大学駅伝部・監督 徳本一善
MC : 涌井健策、藤井みさ(NumberPREMIER)
収録日:2023年11月28日
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◆出演者プロフィール
徳本一善Kazuyoshi Tokumoto
1979年、広島県生まれ。沼田高から法政大学に入り、箱根駅伝には4度出場。2年時は1区区間賞で「オレンジ旋風」を巻き起こした。3年は2区で区間2位と快走、4年は怪我で2区途中棄権に終わった。日清食品Gに所属して日本選手権5000mを連覇。2012年に駿河台大学の指揮官に就任、10年目の2022年に箱根駅伝初出場に導いた。
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