この話、真夏の夜の夢ではなかった。四十数年来のわが友、グレート小鹿がシェイクスピアの悲劇「リア王」を熱演したのだ。何が起こっても不思議のない混迷のプロレス界にあって、私にとっては今年の10大ニュースのトップである。
横浜がホームリングの大日本プロレスが北京五輪開幕前夜の8月7日、赤レンガ倉庫でプロレスと演劇を融合させた「リア王」の特別公演を行なった。
何より舞台装置の背景がいい。ホールの窓からは港の灯り。大桟橋にはおりよく客船「にっぽん丸」が停泊中だった。ホール中央にリングが設置され、正面には蛍光灯が積み上げられた立派な祭壇。ステージにはリア王が陣取るイスが置かれ、重厚な雰囲気を醸しだしてくれる。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Essei Hara