取材に指定された時間は午前6時だった。本当にそんなに朝早くから練習しているのか? 少々疑問はあったものの、そう言われたら従うしかない。バンコクから車を飛ばして1時間半、マンゴーの産地として有名なチャチュンサーオ県にあるポー.プラムックジムに30分ほど遅れて到着すると、10月3日MAXの決勝トーナメント緒戦で魔裟斗と闘うブアカーオはすでにTシャツが汗で体に貼りつくほど走り込んでいた。
ジムは典型的なタイ風様式の木造作り。風通しがいいように、天井はあっても壁はない。ジムの背後には大きな川が広がり、川面に突き出すように練習用のリングが設置されていた。これほど大自然に囲まれたジムはお目にかかったことがない。カメラマンが「どこをバックに撮っても絵になる」と唸ったのも頷ける。
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photograph by Chiyo Yamamoto