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「どの角度から見ても美しい」アルマヴェローチェは逃げても差しても勝てる馬…上村洋行調教師の卓越した手腕を示すデータは?《桜花賞2025を占う》

儚くも、美しい。その戦いは散りゆく桜を思わせる。
競走馬にとって一生に一度の晴れ舞台といえるクラシックレースが、今年もいよいよファンファーレの時を迎える。初戦は第85回桜花賞。選りすぐりの乙女が集う。
名称からして華やかな一戦へ駒を進めるには、過酷なサバイバルを勝ち抜かなければならない。18頭の出走枠に対し、国内で血統登録される牝馬は1世代4000頭近くにもなる。夢を背負って送り出された娘たちは、昨年6月に始まった新馬戦から10カ月を経て、風雨にさらされて舞う花弁のように、次々と振り落とされていった。
そんな百花繚乱の争いにあって、ひときわ咲き誇るのがアルマヴェローチェだ。昨年12月にGI阪神ジュベナイルフィリーズを制し、最優秀2歳牝馬に選出された。
花にこだわってたとえるなら「どの角度から見ても美しい」と表現したい。3戦2勝2着1回。逃げても差しても勝っている。繊細な若駒にありがちな死角が少ないのは、上村洋行調教師も認める長所だ。
「手がかからない馬ですね。センスがあるし、気性も素直。飼い葉もよく食べるし、馬房でも落ち着いています」
さしたる課題が見当たらないからこそ、試走を挟まず桜花賞への直行を選んだ。早々と頂点に達しても、トレーナーは「まだこれからの馬」と見込み、実戦よりも休養を求めて成育を促した。その目算は当たり、前走時に484kgだった体重は、3月中旬に500kg近くまで増量。よりたくましくなった姿が見られた。
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