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[スマホの中の名勝負]ウマ娘は名牝対決をどう描いたか

2021/10/09
通算5度の名勝負を演じた“永遠の宿敵”の2頭。画面の中で今も“2人”のライバル関係は続いている。

 名馬をモチーフにした“ウマ娘”たちの物語を描くクロスメディアコンテンツ『ウマ娘 プリティーダービー』。コミック、アニメなどさまざまな展開が行われているが、その人気を不動のものとしたのが、今年2月に配信を開始したゲームだ。リリースとともに話題を集め、Google Playのセールスランキング(ゲーム)も100日以上にわたり国内1位を記録。およそ半年で1000万ダウンロードを達成するなどその勢いは増すばかりだ。

 このコンテンツの魅力は何なのか。その1つは“親しみやすさ”にある。かわいらしいキャラクターと、昭和世代に響きそうなコメディ&“スポ根”系のストーリーで、競馬を知らないファンをウマ娘の世界観に引き込んでいく。もう1つが“史実へのこだわり”だ。牡馬、牝馬問わず競走馬を美少女化していることで「その時点で史実ではないのでは?」と、疑問に思われるかもしれない。しかし、先入観を捨てて物語やキャラクター、その設定に向き合ってみると、実に細かく史実が反映されていて、コアな競馬ファンこそ楽しめる作りになっているのだ。

 その2つの魅力は、2000年代に幾度となく名勝負を繰り広げてきた2頭の名牝、ダイワスカーレットとウオッカの育成シナリオの内容を見てみるだけでもよくわかる。

 ゲームの舞台は“トレセン学園”。プレイヤーはウマ娘のトレーナーとなって約3年間を過ごしていく。ダイワスカーレットとウオッカの2人は“栗東寮”の同室同士で、同期のライバルとして登場する。普段は優等生を演じているが、負けん気が強く全てにおいて“1番”を目指そうとするダイワスカーレット。現実の彼女も、調教では言うことを聞くが、レースになると前に行きたがって制御が難しいところがあったようだ。一方、ウオッカはボーイッシュで不良っぽいキャラクターとして描かれる。実際も、普段からヤンチャで牝馬グループのボス的存在だったようで、堂々とした姿はいつも周囲の目を惹いていたという。『ウマ娘』では、そんな性格がキャラクターによく落とし込まれている。

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photograph by Cygames,Inc.

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