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「ごめんなさい」1年前、ルメールは顔を曇らせたが…“青天井の新女王”レガレイラが本命、桜花賞馬ステレンボッシュは?《エリザベス女王杯を読む》

2025/11/14
レガレイラ Regaleira 牝4歳/木村哲也厩舎(美浦) [父]スワーヴリチャード [母]ロカ [生産]ノーザンファーム [馬主]サンデーレーシング [通算成績]10戦4勝 [主な勝鞍]'24有馬記念(GI)
11月16日に行われる秋の最強牝馬決定戦。それを制するのは怪我から復帰し、昨年のリベンジを誓う有馬記念覇者か。それとも昨年の桜花賞馬か、あるいは遅咲きのノンエリートか――。決戦の日は近い。(原題:[エリザベス女王杯プレビュー]錦秋の古都に百花繚乱 レガレイラ/ステレンボッシュ/ココナッツブラウン)

 女性首相の就任に沸く政界に先んじて、競馬界では「ガラスの天井」が砕かれて久しい。日本のみならず欧米においても、牝の年度代表馬は決して珍しくない。

 その「天井」を支えていたのが体格差だろう。特に見逃せないのが体脂肪率だ。かつて日米の研究者が実施した調査では1.25~1.5%の性差があると推定された。

 たとえば同じ体重500kgでも、牝馬なら牡馬より6.25~7.5kgも脂肪が多い計算になる。JRAのルールにおける牡牝の斤量差は、2歳10月から1kg、3歳から2kg。現代競馬においてさえ、この生来の隔たりを乗り越えるのは容易ではない。

 ウオッカ、ジェンティルドンナ、そしてアーモンドアイ。性別の壁を破った名牝たちは、やはり称賛に値する。

 現役最強牝馬と目されるレガレイラもまた、ジェンダーの枠にとらわれず駆け抜けてきた。その蹄跡は未踏の地を行く。

〈牡馬を破ってGIを制した2歳牝馬〉

〈皐月賞&ダービーに出走した牝馬〉

〈有馬記念を制した3歳牝馬〉

〈平地重賞での兄弟姉妹とのワンツーフィニッシュ〉

 いずれもグレード制が導入された1984年以降で初めて記録された戦績だ。

 デビュー3戦目でホープフルステークスを制覇すると、翌春には皐月賞からダービーへと駒を進めた。結果は6着(1番人気)と5着(2番人気)に終わったが、馬券での高い支持率が示すように、決して無謀なトライではなかった。

ルメール「いい騎乗ができなかった」

 そんな“男勝り”の全10戦において唯一の牝馬限定GIが、1年前のエリザベス女王杯だった。

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photograph by Keiji Ishikawa

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