女性首相の就任に沸く政界に先んじて、競馬界では「ガラスの天井」が砕かれて久しい。日本のみならず欧米においても、牝の年度代表馬は決して珍しくない。
その「天井」を支えていたのが体格差だろう。特に見逃せないのが体脂肪率だ。かつて日米の研究者が実施した調査では1.25~1.5%の性差があると推定された。
たとえば同じ体重500kgでも、牝馬なら牡馬より6.25~7.5kgも脂肪が多い計算になる。JRAのルールにおける牡牝の斤量差は、2歳10月から1kg、3歳から2kg。現代競馬においてさえ、この生来の隔たりを乗り越えるのは容易ではない。
ウオッカ、ジェンティルドンナ、そしてアーモンドアイ。性別の壁を破った名牝たちは、やはり称賛に値する。
現役最強牝馬と目されるレガレイラもまた、ジェンダーの枠にとらわれず駆け抜けてきた。その蹄跡は未踏の地を行く。
〈牡馬を破ってGIを制した2歳牝馬〉
〈皐月賞&ダービーに出走した牝馬〉
〈有馬記念を制した3歳牝馬〉
〈平地重賞での兄弟姉妹とのワンツーフィニッシュ〉
いずれもグレード制が導入された1984年以降で初めて記録された戦績だ。
デビュー3戦目でホープフルステークスを制覇すると、翌春には皐月賞からダービーへと駒を進めた。結果は6着(1番人気)と5着(2番人気)に終わったが、馬券での高い支持率が示すように、決して無謀なトライではなかった。
ルメール「いい騎乗ができなかった」
そんな“男勝り”の全10戦において唯一の牝馬限定GIが、1年前のエリザベス女王杯だった。
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