
ダグアウトからマウンドに上がる瞬間がたまらなく好きだ。舞台にスポットライトが当たり、そこに立った瞬間、視界に入るのは打者と捕手、そして球審だけだ。
サイ・ヤング賞を2度受賞しているブレイク・スネルはその状況をこのように表現する。
「ゾーンに入ったら何も聴こえない。音楽も観客の声も。聴こえるのは自分の呼吸だけだ」
193cmの長身から繰り出される球は鋭く打者の懐に食い込んでいく。
思わず振ってしまう選手、手が出ず見逃す選手、それぞれの反応を見ながらスネルは投球を組み立てる。
「大事なのは打者を観察する眼だ。何を待っているのか。強みや弱点は何か。ほんの少しの仕草や反応でそれを読み取ることができる」
「データはあくまでも参考程度」と語る理由
データが重視される昨今、大リーグの各チームは試合前に相手を徹底研究し、ゲームプランを決めて試合に臨む。しかしスネルはそれに異を唱える。
「データはあくまでも参考程度だ。人間同士の対決なのだから、データよりも打者の反応を見るべきだ。いい投手は皆、自分と同じ考えだと思う。向き合うべきはデータではなく、目の前にいる打者なんだ」
卓越した観察眼はメジャー9年間で平均11.23という高い奪三振率に表れる。

高い位置から投げ込まれる速球、動きのあるスライダー、落差の大きいカーブ、そしてチェンジアップの4つの球種を巧みに操り、特にストライクゾーンの低めを振らせる技術に長けている。
「試合ごとにコンディションも軸になる球も変わる。でも打者との向き合い方はどの試合も変わらない」
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