2017年5月1日、マイアミで行われたマーリンズ対レイズ戦。さほど注目された試合ではなかったが、レイズのブレーク・スネルにとっては、一生忘れられない一戦だ。
スネルはこの翌年に25歳にしてサイ・ヤング賞を獲得する左腕。その最高のシーズンの間もマイアミでの出来事が心にあったという。
あの日の試合前、シアトルで生まれ育ったスネルは、プロとして初めて子供の頃のヒーローと同じ空間にいた。目の前でマーリンズが打撃練習を行っている。ケージの横で順番待ちをするイチロー。スネルはドキドキしながら彼を見つめていた。
「(クリス・)アーチャーが、ほらイチローがいるよ、挨拶しようよっていったんだ。僕がどれだけイチローに憧れているか知っているから。でも打撃練習の邪魔はしたくない。遠慮もあって断った。それなのに、びびるな、行くぞと手を引っ張られて」
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photograph by Yukihito Taguchi