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【独占インタビュー】佐藤輝明は2024年に“3つの傷”を負った「叩かれて伸びるタイプなんているんですか?」

2024/12/06
新人から4年連続で2桁本塁打を放っているサトテルこと佐藤輝明
彼がこの1年を振り返る口は重い。それもそのはず、揚々と迎えたはずの開幕から、何かがおかしかった。二軍落ち、失策、理不尽な浜風。虎党はそれでも信じている。来季の大砲が屈辱を力に変えることを。(原題:[苦しみ抜いた大砲]佐藤輝明「傷ついてもなお」)

 2024年、佐藤輝明は3つの傷を負った、のかもしれない。

 とうに初冬を迎えたとは思えない陽光の中、2人のスラッガーが次々と豪快な打球を放っていく。放物線の終着点が柵を越えるたび、平日にもかかわらずスタンドをほぼ埋めた阪神ファンから拍手が湧き起こる。

 野口恭佑、14本。

 佐藤輝明、16本。

 翌日の『デイリースポーツ』によると、それが、11月14日のランチ特打で2人が放った柵越えの数だった。

 '22年の育成ドラフト1位で入団して2年目となる野口の飛距離には、目を瞠らされるものがあった。ただ、隣で打つ佐藤輝明とは明らかな違いがあった。

 野口の打球は、すべて引っ張ったものだった。だが、佐藤の柵越え16本のうち、13本はセンターから左方向に放たれたものだったのである。

 前日のインタビューで佐藤が口にした言葉と、その表情が思い起こされた。

 たとえていうならば“無邪気で愛されるジャイアン”――それが、“アレンパ”の挑戦が始まろうとしていた3月中旬、初めて佐藤輝明にインタビューをさせてもらった際の印象だった。

 当時の原稿では違うコミックのキャラクターにたとえたのだが、ご本人曰く「そのマンガ、読んでないんですよ」とのことだったので、より知名度の高いキャラに変更する。とにかく、天衣無縫にして楽観主義、挫折を知らない明るい男。

 そして、柳に風――礼儀は正しい。本家ジャイアンと違って傲岸なところも一切ない。ただ、メディアに対しては明確に線を引いている、という印象はあった。聞かれたことには答えるけれど、自分の内にあるものは明かさない、少なくとも、明かす必要性を感じていない、ようではあった。

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photograph by Nanae Suzuki

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