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「ブラジルW杯で最も心残りなのは…」長谷部誠が痛感した日本代表“ナーバスの落とし穴”とは?【独占インタビュー/2014年】
ブラジルW杯での心残りは何か?
そう問われたらいろいろなことが頭をよぎる。4年間のすべてをかけて臨んだ大会で結果が出なかったときに、すぐに頭を整理するのは簡単ではない。大会後にあれこれ言うのは、ただの言い訳になってしまうという思いもある。
けれど、僕たちが経験を伝えなければ、次の世代は生かすことができない。言い訳になってしまうのを承知で、ブラジルで経験したことを話したい。
間延びしてしまったのは、ボランチの僕の責任。
ブラジルW杯で最も心残りなのは、やはり初戦のコートジボワール戦だ。もっとうまく試合に入れていれば、1対2で逆転負けを喫することはなかったと思うからだ。
コートジボワール戦では、立ち上がりから日本のプレスがうまくハマらなかった。前線の2人(本田圭佑と大迫勇也)がボールを追う一方で、僕たちボランチとDFラインが後ろに下がってしまい、前と後ろの距離が離れてしまったのだ。
コンパクトさを失ったらプレスはかからない。なぜ全体で連動できなかったのか……。W杯の初戦ということで、自分たちでも気がつかないうちに、ナーバスになっていたのかもしれない。
この初戦では、いろいろな要因が絡み合っていたと思う。僕たち守備陣の頭の中には、「トップ下のヤヤ・トゥーレを抑えなきゃ」という意識が強くあり、さらにサイドにはジェルビーニョという強烈なFWがいた。その2人のケアのために、自分たちの守備ラインを低くしてしまった。
ただし、その一方で「相手のDFラインでボールをまわされている分には恐くない」とも感じていた。こちらはしっかりとゴール前にブロックを作れていたし、ヤヤ・トゥーレとジェルビーニョをフリーにしていなかったからだ。プレスはかからなくても、正直やられる気はしなかった。
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