#1093
巻頭特集

記事を
ブックマークする

「家族そろって“虎キチ”だよ」マット・マートンがフロリダから見た<2023日本シリーズ>の名場面とは?《最強助っ人からの伝言②》

2024/03/31

 去年の7月に妻と5人の子供とともに日本に戻ったんだ。次女は日本で生まれたし、5人のうちの4人の子供は六甲アイランドに住んだことがある。どうしても家族のみんなを連れて思い出の場所に戻りたいと思っていた。

 甲子園で試合も観戦させてもらったよ。試合前の練習の時には岡田(彰布)監督が温かく歓迎してくれた。 

 僕がタイガースでプレーした6シーズンの間、岡田さんはオリックスの監督を務めていたりと、阪神球団にいなかったから親しい関係を築くチャンスはなかったんだ。だけど、もちろん'85年の日本シリーズ制覇の主役だった偉大な先輩だということは知っていたから、話が出来て光栄だったよ。88年もの歴史を持つ球団のたった2度の日本一に選手としても監督としても貢献したことは本当に尊敬すべきことだと思う。

 現役時代にチームメイトだった安藤(優也)と久保田(智之)はコーチになっていたし、当時もコーチとしてお世話になった平田(勝男ヘッドコーチ)、嶋田(宗彦バッテリーコーチ)、筒井(壮外野守備走塁コーチ)らの元気な顔が見られて嬉しかった。鳥谷(敬)や福留(孝介)、能見(篤史)とは今でも一緒に食事をする仲なんだ。

 だから阪神は今も僕の大きな部分を占めているよ。その意味で子供たちには日本という国と阪神という球団に対して特別の関心を持ってほしい。パパがこんなところでプレーしていたということを彼らに知っておいてほしかったんだ。

 案の定、甲子園で試合を観戦した子供たちはファンになってくれた。もちろん日本に住んでいた頃も見に来ていたけど、あの頃よりも大きくなって、今では立派なタイガースファンだね。旅からの帰国後は「パパ、タイガースはどうなっているの?」と知りたがって、テネシー州にある自宅から声援を送り続けたよ。森下(翔太)、大山(悠輔)などの選手の名前まで覚えてたんだ。

特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by JIJI PRESS

0

0

0

前記事 次記事