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「俺のベストフレンドが…」ヨハン・ミエセスが愛されムードメーカーになるまで<糸原健斗によって見出された“暖かさ”>

2023/10/08
タイガースベンチに流れていた和やかな空気、中心にいたのはお調子者のカリビアンだった。辛口虎ファンも口角を緩ませるキャラクターと、得意のギャルピースでセ界の主役に立候補!

「本日の主役」のタスキをかけた「ミエちゃん」はその丸太のような腕をブンブンと振り回していた。歓喜のビールかけがもう待ち切れない。だが、その前にマイクを取り日本一へ気勢をあげた岡田彰布監督が、眼前ではしゃぎ倒す助っ人に一瞬顔をしかめる……そして、イジった。

「ミエちゃん、主役ちゃうよ。きょうは。成績にちなんだ暴れ方をしてください」

 指揮官が指摘した今季の個人成績は……ミエちゃんの名誉のために記さないでおこう。来日1年目のヨハン・ミエセスが、手厳しい虎党から「ダメ助っ人」の烙印を押されなかったのは「キャラ」という他ないのかもしれない。今のタイガースナインはどちらかと言えば真面目で静かなタイプが多いように見える。そんな中、ミエちゃんがチームに吹かした風には「熱さ」というよりは緊張を解きほぐす「暖かさ」が内在していた。マイナー通算140発のパワーは不発のまま。あいさつ代わりの一発よりも、ヒットを打つたびに塁上からベンチに向かってドヤ顔で決める「ギャルピース」の方が、今年は尊かったということだ。

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photograph by NIKKAN SPORTS

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