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ネイサン・チェンが語る“幻の世界選手権”「ユヅには4回転アクセルをやってもらい、刺激しあいたい」<ドキュメント/2020年>
日本時間3月12日、新型コロナウイルスの影響により、モントリオール世界選手権の開催中止が発表された2時間後、全米フィギュアスケート連盟はネイサン・チェンの緊急共同電話会見をセットアップした。
「全ての選手は、この大会のために長い時間をかけて練習し、準備をしてきました。でもこのウイルスがどれほど早く世界に広がっているかと考えると、中止は正しい判断だったと思う」
チェンにとって、3度目の世界タイトルがかかっている大会だった。
「何も世界選手権は、今回が最後というわけではありませんし」
チェンは、そう付け加えた。
「この決定が出される前から、ぼくは周りの人たちの心配をしていました。ラファエルは特に遠征で色んなところに行っていたので、大丈夫かなと思っていたんです」
3月4日からエストニアのタリンで開催された世界ジュニア選手権に、チェンのコーチのラファエル・アルトゥニアンが来ていたのはちょっと意外だった。世界選手権中止が発表される前でもあり、メインコーチの彼はカリフォルニアのホームリンクに残って、チェンやマライア・ベルなどシニア選手の仕上げに専念しているだろうと思っていたのである。
「ネイサンは自分のやることをわかっていますから。今更私がいなくても困ることはないんです。ネイサンに限らず、私の役割は、選手が私に頼らなくても良いように育てることだと思っています」
コーチから4000km離れ、学業とトレーニングを両立。
アルトゥニアンコーチがそう語ったように、ここ2シーズン、チェンはコーチから4000kmも離れたコネチカット州のイェール大学で寮生活を送りながら、自主トレーニングを続けてきた。12月のGPファイナルの試合終了後には、チェンはアルトゥニアンコーチとの練習状況についてこう説明している。
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