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5年間磨いてきた“修正力”…守田が解説した「4-2-3-1」→「4-1-4-1」変更の効果とは?【アジアカップ初戦・ベトナム戦の深層】
かつての日本なら面食らってそのまま押し切られていたかもしれない。しかし現在の、国際Aマッチで連勝記録更新中の日本は、違う。相手の出方に一瞬は戸惑っても、試合中にしっかり修正できる。それこそがこのチームの強みだ。
つなぐ相手に対応しきれず、後手に回った前半。
11分に南野拓実が菅原由勢のシュートのこぼれ球を蹴り込んで先制したあと、日本は劣勢に立たされた。予想以上につないでくる相手のプレーに対応できず、守備でたびたび後手に回った。
「結構、ボールをつなぐという分析はできていたけど、思った以上だった」(遠藤航)
「守備のところでハマらず、相手もボールをつなぐところで高いクオリティーをもってやっていた」(板倉滉)
「プレッシャーをかけたらもう少しロングボールでくると思っていたけど、しつこくしつこくつないで人数もかけてきた。正直、予想以上でした」(谷口彰悟)
5-4-1の2ボランチが代わる代わる下がってビルドアップに加わるベトナムからいい形でボールを奪えず、ペースを握られてしまう。選手の話からも先制した後にやや混乱していたことがうかがえた。
16分と33分の失点はともにセットプレーからだったが、やりたいことをやれているベトナムと、全くやれていない日本との差がスコアに表れたとも言える。攻めても自陣深く守る相手を崩しきれず、ボールロストを繰り返した。
やることなすことハマらないこの時間帯の光景は、前回大会の決勝カタール戦で苦しんだ日本の姿と重なった。前線から頻繁に下がるFWアフィーフの動きに翻弄され、中盤で数的不利に陥ってプレスが空転。失点を重ねて1-3の完敗を喫したあの試合だ。当時、代表監督として初の国際大会に臨んだ森保一監督は、修正力の不足を痛感することになった。その後の取材の中で指揮官は、チームが成長するためのキーワードとして何度も「修正力」を挙げた。
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