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《日本代表》森保一監督の“進化するマネジメント”とは?…キーワードは「優先順位」と「相手の嫌がること」【アジア杯、3大会ぶり制覇へ】
年末年始、森保一は引っ張りダコだった。
明石家さんま、勝村政信、加藤浩次らサッカー通タレントとのテレビ番組の対談企画や活字メディアのインタビュー記事など数多くに登場していた。
表に出るのがあまり得意ではないと、苦笑いしつつ漏らしたことがある。ドイツ代表、スペイン代表を撃破したカタールワールドカップ後もちょっとした“祭り”になっていた。慣れなくとも積極的な発信にはちゃんとした意志があった。
「自分というより日本サッカーを取り上げてもらうこと自体、選手たちの力になると思っているんです。サポーターやメディアを通じて応援してくれる人たちの思いがあって、ここぞってときにもうひと踏ん張り、もうひと粘りができるわけですから」
2024年の幕開けとなった日本サッカー史初の“元日代表戦”には、サッカー人気の低下が囁かれているなかで6万を超える大観衆が集まった。タイ代表に5-0と圧勝した後の会見で感謝を述べている。
〈いろんな方々が注目して見てくださることで選手にとって大きなチャレンジをする雰囲気をつくってくださり、ありがたかったなと思います〉
大きなチャレンジ――。それはつまり上方修正したワールドカップ優勝という目標に向けて、下地づくりの過程にこの試合も組み込まれているということ。指揮官に直接話を聞き、書き留めてきた言葉からは最大の目標から逆算された新たな森保流マネジメントの本質が垣間見える。
“最高の景色”から逆算して始まったマネジメント。
日本サッカー協会からの続投要請を受け入れて新しくスタートを切ったのが2023年3月のこと。チームがまだ始動する前だった。ワールドカップ初のベスト8入りを目指す「新しい景色」の表現が、さりげなく変更されていたことに気づかされた。
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