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篠山竜青――「情けないくらいコテンパン」忘れじの天皇杯ファイナル。

第一線で活躍するアスリートは、敗戦から何を学ぶのか――。日本バスケットボール界が誇る円熟の司令塔が挙げたのは、Bリーグ発足初年度、天皇杯決勝で喫した大惨敗だった。

【Defeated Game】
2017年1月9日 天皇杯 全日本バスケットボール選手権 決勝
千葉ジェッツ 88-66 川崎ブレイブサンダース

   ◇

 水戸黄門のコスチュームに身を包み、神輿に担がれての入場にアリーナがドッと沸く。脱いだら「スラムダンク」湘北ユニフォームの重ね着でもうひと笑いだ。これは今年1月に水戸で開催されたBリーグオールスターゲームの一幕である。試合になればお祭りムードから一転してガチンコモードになって激しいディフェンスを披露する。楽しませたら、今度は熱くさせる。3得点にとどまるもファン投票によって選ばれるMVPを受賞した男こそ、日本バスケ界きってのエンターテイナーであり、プロフェッショナルである篠山竜青だ。

 今の彼があるのはBリーグ初年度に経験した「珠玉の1敗」と無関係ではない。2016年9月に華々しく開幕したBリーグ。NBLの強豪「東芝ブレイブサンダース神奈川」は「川崎ブレイブサンダース」となり、篠山も5年間続けてきた東芝の社員からプロに選手契約を切り替えた。中地区の首位を走り、Bリーグ初年度から天皇杯を制すチャンスがやってきた。'17年1月9日、東京・国立代々木競技場第1体育館。決勝の相手はここまでリーグ戦で2連勝している千葉ジェッツだ。

 第1クオーターこそ19-17でリードしたものの、第2クオーターで勝ち越されてからはドンドンと差を広げられ、結局は20点以上離されて大敗を喫してしまう。

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photograph by AFLO

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