エースで、10番で、キャプテンで、リーダー――。ふたつの強豪国を沈黙させたフィニッシャーは、2026年W杯へ向けて、どこまでも貪欲だ。覚悟を決めて臨んだカタールでなにを見たのか。
決意表明――そう言っていいはずだ。
20代半ばの日本代表選手たちが2026年の北中米W杯に向けて、それぞれに熱い思いを口にしている。
次は自分が引っ張っていきたいと宣言する選手もいれば、日本代表を勝たせる存在になることを誓った選手もいる。キャプテンをやりたいと名乗り出た選手もいた。
だが、堂安律は誰よりも欲張りだった。
「僕はエースになりたいし、10番を背負いたい。キャプテンも任されたいし、リーダーになりたい」
つまりは、「俺について来い!」ということだろう。
カタールW杯のドイツ戦、スペイン戦で歴史的勝利を手繰り寄せるふたつのゴールを叩き込み、誰よりも明らかな結果を出したからこそ生まれた覚悟と言えそうだ。
その覚悟を抱えて、堂安は次のW杯へと続く道をすでに歩き出している。
――エース、10番、キャプテンは分かりやすい肩書きですが、堂安選手にとってリーダーとは?
「ピッチに立って、シュートを打って、チームを勝たせるのがエース。それもカッコいいんですけど、それ以上の存在になりたいと思っていて。今回、(吉田)麻也くん、(長友)佑都くんと一緒に戦って、麻也くんの声かけをどれだけ頼もしく感じたか。佑都くんがみんなを盛り上げてくれたことがどれだけチームの活力になったか。彼らのおかげでチームが回ったのは間違いない。人としてカッコよかった。そんなリーダーになりたいと思ったんです」
――ピッチ内はもちろん、ピッチ外においてもチームを引っ張りたいと。
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photograph by Takuya Sugiyama