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【動画】営業収入はリーグ平均以下の12億円…水戸ホーリーホック・小島耕社長が明かす「お金がない地方市民クラブをJ1に上げる」経営哲学《「水戸の奇跡」インタビュー②》

2026/02/25
 Jリーグ各クラブが繰り広げる激闘の舞台裏を、当事者たちへの直撃インタビューによって深掘りする新連載「FOOTBALL HOUR」がスタート。記念すべき第1回は、昨季、「奇跡」とも評されたJ2優勝とJ1昇格を果たした水戸ホーリーホック。売上高も強化費も潤沢ではない地方市民クラブを、異色の経営者・小島耕社長はいかにしてJ1クラブへと成長させたのか。メディア業界出身者ならではの「お金がなくてもJ1に上げる」経営哲学に、週刊サッカーマガジン元編集長の北條聡氏が迫ります。
 NumberPREMIERでは森直樹前監督板倉健太選手のインタビューも公開中です。

 気温、マイナス3.1℃。入場者数、1878人。

 2020年シーズン、水戸ホーリーホックのホーム最終戦のことである。試合が終わったケーズデンキスタジアム水戸で、新米社長・小島耕はマイクを握り、ファン・サポーターへ1年間の感謝を述べた。

「相手はFC琉球。沖縄のクラブは寒さには慣れていないはずだから、きっと勝てると高を括っていたんです。ところが0-2で負けてしまった。気温も内容もめちゃめちゃ寒い試合になったから、お客さんもみんな帰っちゃって。誰もいないメインスタンドに向かって挨拶をしたことを考えれば、今は本当に幸せですよ」

2020年シーズンのホーム最終戦終了後、スタンドに挨拶する小島社長 ©J.LEAGUE
2020年シーズンのホーム最終戦終了後、スタンドに挨拶する小島社長 ©J.LEAGUE

 極寒の挨拶から5年後、景色は一変した。2025年11月29日、ケーズデンキスタジアム水戸は1万743人の観衆で膨れ上がった。試合後のスタンドは、J2優勝とJ1昇格の歓喜で揺れていた。そこで再び小島はマイクの前に立ち、笑顔で耳を傾ける人々に向かって約束した。

「競技力も、運営の面でも、J1にふさわしいクラブを目指します。そしてJ1に上がっても、ファン・サポーターのみなさんとの距離感は失わないクラブであり続けたいと思っています」

 話し終えると、大きな拍手が沸き起こった。誰もが、愛するクラブの経営が簡単ではないことを知っていた。厳しい台所事情を示す数字が、Jリーグによって開示されている。

 12億2400万円。これは2024年シーズンの水戸ホーリーホックの営業収入である。2020年に小島が社長に就任して以来、徐々に数字を伸ばしているものの、J2リーグ平均の19億3500万円には及ばず。売上1位・清水エスパルス(50億300万円)の約4分の1に留まった。

 資金力がそのまま成績につながるわけではない。しかし、大きな影響を与えるのも間違いない。実際、2024年シーズンは清水がトップでJ1へ昇格し、水戸は残留争いに巻き込まれた。2025年シーズンを迎えるにあたり、小島社長自身も「まずはJ3に落ちないことを念頭に置いていた」という。

 それでも異色の経営者は、「お金がなくても強くする」ことを諦めていなかった。メディア業界出身者ならではの視点から地道に蒔き続けた種は、いかにしてJ2優勝とJ1昇格という形で花開いたのか。その独自のクラブ運営論が赤裸々に明かされる。

©Shigeki Yamamoto
©Shigeki Yamamoto

 この動画では、ほかにも次のようなテーマについて語ってもらっています。

  • 水戸ホーリーホック社長就任までの経緯
  • コロナ禍で痛感したクラブ経営の難しさ
  • 他の地方クラブからもらったJ1昇格へのエール
  • 2025年最終節・大分戦前日のスピーチ練習
  • 2025シーズンに感じた森直樹監督(当時)の成長
  • J1での野望

 クラブの経営トップだからこそ感じる喜びと孤独、将来の政治家転身の噂まで、旧知のライター北條聡に語った約34分の軽快トーク、ぜひご覧ください。(2025年12月取材)

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photograph by Shigeki Yamamoto

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