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【動画】「追い付かれたのは俺のせいだ」と謝罪…水戸ホーリーホック・森直樹監督を奮い立たせた鹿島・鬼木監督のまさかの助言とは《「水戸の奇跡」インタビュー①》

2026/02/24
 Jリーグ各クラブが繰り広げる激闘の舞台裏を、当事者たちへの直撃インタビューによって深掘りする新連載「FOOTBALL HOUR」がスタート。記念すべき第1回は、昨季、「奇跡」とも評されたJ2優勝とJ1昇格を果たした水戸ホーリーホック。毎年のように多くの主力選手を引き抜かれる難しい台所事情の中、2024年シーズン途中から監督に就任した森直樹氏(現フットボールダイレクター)は、いかにして堅い守備と勝負強さを兼ね備えたチームを作り上げたのか。J1昇格への重圧がかかる中、選手たちにかけた熱い言葉とは。週刊サッカーマガジン元編集長の北條聡氏が、その哲学に迫る。
 NumberPREMIERでは小島耕社長、板倉健太選手のインタビューも近日公開する。

 2025年3月17日、指揮官の森直樹はミーティングの場で選手たちに頭を下げた。

「追い付かれたのはみんなのせいじゃなくて、俺のせいだ。水戸ホーリーホックの駄目な伝統だ。そこは変えていこう。2-0でも点を取りに行く。これを今年のスタイルにしよう」

 この前日、水戸はベガルタ仙台をホームに迎えた。後半15分までに飯田貴敬と渡邉新太のゴールで2点リードを奪い、シーズン2勝目が近づいていた。ここで森は〝逃げ〟の一手を打った。稀代のドリブラー・齋藤俊輔をベンチに下げ、リスクを冒さず時計の針を進める作戦を選んだ。後半27分に1点差まで詰め寄られると、板倉健太や沖田空を投入して最終ラインを増強し、タイムアップの笛を待った。

 しかし、目論見は外れた。アディショナルタイムも3分を経過したところで、痛恨の失点を許した。チームの重心を下げたことで仙台の波状攻撃を浴び、最後の最後で耐えきれなかった。

 この結末を振り返った上での謝罪だった。

Kiichi Matsumoto
Kiichi Matsumoto

 現役時代、センターバックとして活躍した森は2003年から2005年まで水戸に所属し、ここでスパイクを脱いだ。当時も今も、水戸は裕福なクラブではない。限りある戦力でも地道に勝ち点を稼ぐために、堅い守備網を築き、粘り強く戦う。いつしかこれがクラブの伝統となり、この堅守を武器に、2000年のJリーグ参入以来、一度もJ3に降格することなく、J2最長在籍記録を打ち立てた。

「守りきる」のではなく、「勝ちきる」にシフト

 2024年シーズン途中から監督となった森は、この伝統にメスを入れた。「守りきる」のではなく、「勝ちきる」。そのために、前線からのアグレッシブな守備戦術を取り入れ、攻撃面の指導はコーチ陣に任せた。

 仙台戦後の謝罪から約1カ月後、快進撃が始まった。第9節コンサドーレ札幌戦から第23節カターレ富山戦まで15戦負けなし。第20節FC今治戦で、ついに順位表の一番上に立った。

 2025年11月29日、森は本拠地ケーズデンキスタジアム水戸のベンチで、頭を悩ませた。勝てば文句なしでJ2優勝とJ1昇格が決まる最終節・大分トリニータ戦でのことだ。後半30分を経過して、スコアは2-0。あの仙台戦と、同じ展開だった。

 5バックに変更して〝逃げきる〟べきか、4バックのまま‟攻めきる”べきか――。

 一瞬の逡巡の後、森は腹を決めた。

 今回のインタビューでは、この決断に至るまでの心の動きと、試合中のポーカーフェイスの裏に隠された葛藤と本音が、赤裸々に語られた。

Hideki Sugiyama
Hideki Sugiyama

 この動画では、ほかにも次のようなテーマについて語ってもらっています。

  • 柱谷哲二さんからの祝福
  • 鹿島アントラーズとの非公開練習試合での手応え
  • 鹿島、鬼木達監督からもらったまさかのアドバイス
  • J1昇格目前のプレッシャー
  • 最終節大分戦ハーフタイムの修正
  • 樹森大介新監督への期待

 試合後のフラッシュインタビューや監督会見では語られてこなかった戦術論やエピソードが詰まった約32分の本音トーク、ぜひご覧ください。(2025年12月取材)

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photograph by Kiichi Matsumoto

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