子供の頃からダービージョッキーに憧れ続けてきた武豊騎手は、10回目の挑戦でついに夢を叶え、史上最多5度の勝利を重ねてきた。今年は早い時期から素質の高さに惚れ込んだドウデュース(牡3歳、栗東・友道康夫廐舎、父ハーツクライ)と出会い、'13年のキズナ以来、9年ぶりのダービー制覇に意気込む。
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「勝ちたいですね! 距離が長いかもという不安は、マイラー色が目につく母系や体型からたしかにありました。でも、皐月賞の走りを見たあとは、大丈夫というよりもむしろいいんじゃないかの感覚に変わってきたんです。負けたことはもちろん悔しいけど、あとからうれしくなる部分もたくさん見えてきたんです」
──友道廐舎の馬はレースのたびに良くなるのはなぜだろうと、以前お聞きしました。
「しっかり作ってレースに送り出しているのに、次はまた良くなっているから不思議です。ボクなりに分析すると、たとえば新馬戦ならそこを勝つだけの作りで臨んで、きちんと次走への上がり目の分を残しているからかな。ドウデュースの場合、弥生賞はその次(皐月賞)におつりを残していた感じでした。皐月賞のときは動きもよかったし、フィットした仕上げになっていたんです。
その後は放牧に出さずに仕上げてきているし、“ダービー任せてください”って友道調教師もおっしゃっている。あの廐舎で調教をこなしている康太(藤岡騎手)に聞いたら、“併せ馬の形で隣を走っていて、圧が強くなってきた”って。さらに迫力が出てきたからでしょうね。友道流の調教は追い切り以外でも併走を多用しますから、康太の話はよくわかります。口笛を吹きながら走るような馬もいれば、歯をくいしばって頑張っているのもいるんです。
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