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[今季は果たして勝てるのか?]エンゼルスの重大論点

2022/03/31
ライセル・イグレシアスは昨季34セーブを記録した不動のクローザー。4年総額5800万ドルで再契約
2014年を最後にプレーオフから遠ざかっているエンゼルス。復活の可能性を、投手、打線、PS進出、そして二刀流の4つのテーマで、現地記者の評価とともに探ってみた。

1:救援陣はグレードアップ。先発陣は?

 キャンプイン後、ようやく実績のある救援投手2人との契約に成功した。

 ライアン・テペラは、昨季65試合で防御率2.79、1イニングあたりの許走者数は0.88と安定感は抜群だった。もうひとりのアーチー・ブラッドリーは昨季53試合の登板で7勝3敗2セーブ、防御率3.71。通算463回投球で465三振を奪っているのが魅力だ。

 この2投手は、昨オフに延長契約に成功した通算140セーブの守護神ライセル・イグレシアスへと繋ぐ、計算できるセットアッパーと言える。

 これで変則左腕アーロン・ループ、平均95マイル(約153km)超のパワー・サウスポーのホセ・キハダと合わせ、勝利の方程式は机上では成り立った。あとは彼らのパフォーマンスが例年通りとなるか、ということになる。

 だが、先発投手陣への評価はかなり低い。6人ローテーションを公言し、「大谷翔平、ノア・シンダーガード、パトリック・サンドバル、ホセ・スアレス、マイケル・ロレンゼンの5人は確定」とはジョー・マドン監督。残り1枠を若手のジョナサン・ディアス、リード・デトマーズで争うというが、米国の記者たちは辛辣だ。ロサンゼルス・タイムズ紙のジャック・ハリス記者はこう切り捨てた。

「明らかにローテーション投手候補に高い要求をしすぎていると思いますね。期待値に過ぎないと思います」

 確かに、新規加入のシンダーガードは昨季2イニングしか投げていないトミー・ジョン手術明けの投手であり、今季はリハビリ過程の位置づけだ。最大で20試合ほどの先発で投球イニングも120がマックスだろう。ローテーションを支える存在にはならない。

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photograph by AFLO

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