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ヨアヒム・レーブ「ロシアの失敗をここで生かす」~15年政権の集大成~

2021/06/07
'08年EURO準優勝、'14年W杯優勝の栄光も過去の話――。'18年ロシアW杯での惨敗以降、猛烈な批判に晒され、今大会後の退任も決まった。それでも指揮官は前を向く。15年間で培った戦略を胸に、覇権奪還への決意を語った。

 ドイツに栄光をもたらした長期政権が幕を閉じる。

 今年3月、2006年からドイツ代表を率いてきたヨアヒム・レーブが、EURO後の退任を発表した。15年に渡る指揮は、西ドイツにW杯初優勝をもたらしたゼップ・ヘルベルガー(計20年)に次いで2番目の長さ。'08年EURO準優勝、'14年W杯優勝、'17年コンフェデ杯優勝など輝かしい成績を残してきた。

 しかし、退任を惜しむ声はほとんど聞こえてこない。ここ3年半、情熱のタンクが空になったかのように迷走しているからだ。

 '18年W杯では優勝候補と言われながら、メキシコと韓国に敗れてまさかのグループステージ敗退。直後に始まったUEFAネーションズリーグではオランダとフランス相手に1勝もできずA組最下位に沈む。

 '19年3月、ミュラー、フンメルス、ボアテンクを構想外にして世代交代を図ったが、リーダーが不在になり、'20年11月にスペインに0対6で惨敗。今年3月末のW杯予選では格下の北マケドニアに敗れるという大失態を演じた。

小さなプライドにこだわっている場合ではない

 だが見方を変えれば、世界の頂点に立った者たちには、成功モデルを捨てるために必要な「再生期間」だったのかもしれない。

 キミッヒ、ゴレツカ、ニャブリ、ズーレら'95年生まれの選手や、サネ、ベルナーら'96年生まれの選手が批判にさらされてタフになり、ドイツ伝統の闘争心を身につけつつある。

 戦術面でも模索を続け、4-3-3、3-5-2、3-4-3など複数のシステムを採用。結果こそ伴わなかったが、スペイン戦ではオールコートのマンマークに、北マケドニア戦では左サイドバックのゴセンスが攻撃時にFWになる可変システムに挑戦した。

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photograph by Getty Images

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