サッカー界でも屈指の欧州通の2人は今大会をどう見ているのか。元ゲームメイカー&ストライカーの感覚を駆使して戦力を徹底解剖。さらに解説者視点でも注目すべき国、選手についてたっぷりと語り尽くした。
ともに2020年限りでユニフォームを脱いだ元日本代表の2人、中村憲剛と佐藤寿人は解説者としても活躍する“欧州サッカー通”だ。日本サッカー界屈指の司令塔とストライカーは、どの国の、どんな選手に注目して、間もなく開幕するEURO2020を見るのか。優勝候補に挙げられる強豪国を中心に、“元選手の解説者”視点で欧州覇権争いの勢力図を読み解く。
――まずはEUROという大会の印象から聞かせてください。
中村 大会のレベル・規模としては、もはやW杯や五輪と同じクラスですよね。最近の欧州サッカー界は全体のレベルの底上げがすごい。“小国”と言われている国からもビッグクラブでプレーする選手が出てきて、格差はどんどん小さくなってきているので“ハズレ試合”が少ない。やっぱり、ヨーロッパの全体的なレベルは、クラブだけじゃなく代表もどんどん上がっている気がしますね。
佐藤 同感です。ここ数大会のEUROは、グループステージからものすごい緊張感がありますから。
中村 優勝を狙う強豪国でも、試合をこなしながら徐々にピークに近づけていくという過去見られていたようなコンディション調整が少しずつできなくなってきてるよね。一見して格下に見えるチームでも、油断したら普通に食われる。一戦一戦気が抜けないとんでもなくタフな大会だと思う。
佐藤 EUROに対する個人的な思い入れってありますか?
中村 初めて見た大会の印象が強いなぁ。俺の場合は、旧ユーゴスラビアの代わりに出場したデンマークがそのまま優勝しちゃった1992年。あの大会がすごく面白くて、それからずっと見てる。
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photograph by Asami Enomoto