#1003

記事を
ブックマークする

『空の声』 身命を賭して声を届けた職人、 和田信賢の生き様に漂う狂気。

2020/06/02

 アナウンサーという仕事はいずれ滅びる、と面と向かって言われたことがある。テレビ局にAIアナウンサーが入社し、タレントがニュースを読む時代。もう専門職としてのアナウンサーなどいらぬ、と言われても仕方がないのかもしれない。けれど、アナウンサーにも一部門だけ、どうしたって取って代われない職人のような仕事がある。それが、スポーツ実況だ。自ら「瞬間芸術」と表現した名実況で戦後のスポーツ中継を盛り上げた和田信賢の生き様に、競技によってはたった数分間の試合に向けて、昼間は取材に行き、帰ってくれば何百、何千もの過去の試合や歴史を見直して、遅くまで机に向かっている先輩たちの姿を思い出した。

特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Sports Graphic Number

0

0

0

前記事 次記事