アナウンサーという仕事はいずれ滅びる、と面と向かって言われたことがある。テレビ局にAIアナウンサーが入社し、タレントがニュースを読む時代。もう専門職としてのアナウンサーなどいらぬ、と言われても仕方がないのかもしれない。けれど、アナウンサーにも一部門だけ、どうしたって取って代われない職人のような仕事がある。それが、スポーツ実況だ。自ら「瞬間芸術」と表現した名実況で戦後のスポーツ中継を盛り上げた和田信賢の生き様に、競技によってはたった数分間の試合に向けて、昼間は取材に行き、帰ってくれば何百、何千もの過去の試合や歴史を見直して、遅くまで机に向かっている先輩たちの姿を思い出した。
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photograph by Sports Graphic Number