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<天龍源一郎と愛娘が振り返る> 第48代横綱大鵬「一番風呂と柏戸の涙」

2019/02/20
 戦後の日本、急速に復興する時代を象徴するように常勝の道を歩んだ。
 淡々とした勝利の裏にあった努力と繊細さを、三女と元付け人が語った。

 日本の高度成長期、大相撲には大鵬がいた。

 1940年、樺太の地でウクライナ人の父と日本人の母との間に生まれ、戦局の悪化で北海道へと渡る。家庭は貧困を極め、定時制の高校に通いながら家計を助けていたところ、巡業に来ていた当時の二所ノ関親方の目に留まり16歳で入門。そしてなんと'61年、入門からわずか5年という考えられないスピードで横綱に昇進した。まだ、弱冠21歳だった。

 '71年の5月に引退するまで、幕内での優勝は32回。この記録は白鵬に抜かれるまで燦然と輝き続け、そのあまりの強さに、「巨人 大鵬 卵焼き」という高度成長期の日本の代名詞にまでなった。

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photograph by Miki Fukano

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