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【読めば沼る4冊!】ドラマ『極悪女王』を観た人が“全女”を深掘りできるブックガイド《ダンプ松本は「父親への殺意を胸に抱いて…」と告白》
2024/11/23
ダンプ松本の母の、夫に対する呪詛、心の傷をプロレスで癒そうとした者、3人目のクラッシュ、そして極悪同盟の鉄則……。これら珠玉のノンフィクション4作から全日本女子プロレスの“リアル”を知れば『極悪女王』をさらに楽しめること間違いなし!(原題:[読めば沼る!]全女をもっと深掘りする極上の名作4冊)
『極悪女王』を一気見した直後、「もっと当時の全女を知りたい」と思い、関連書籍を手当たり次第に入手した。最初に読んだのが、ダンプ松本の評伝『ザ・ヒール』だ。『極悪女王』の原作といってもいい本書は、帯に鈴木おさむによる「極悪に生きたこの人の人生に震えた! 泣いた!」という推薦コメントが躍っている。
ドラマ同様、放蕩三昧の父のだらしなさ、いい加減さが存分に描かれているが、本書の白眉は、ダンプの述懐よりも、母・里子さんが書き続けた直筆日記の一部が、そのまま掲載されている点にある。そこには、ノート全面にわたってびっしりと「五郎のうそつき矢郎の裏義り者早く死ね(原文ママ)」と書かれている。「五郎」とはもちろん、家族に災いをもたらす夫である。さらに、「松本家之墓」と大書された墓石が描かれ、「五郎早くはいれ」と筆圧の強い文字で書かれている。呪詛である。彼女はどんな思いで、この日記と対峙していたのか? ドラマでは描かれていない妻の強烈な怨念がそこにあった。
本書で「父を殺したかったのだ」と明言しているダンプは、自らのことを「父親への殺意を胸に抱いて、女子プロレスラーを目指した人間」とも述べている。ドラマでは、ビューティ・ペアのジャッキー佐藤に魅了された描写があったが、本書によると、中学2年の秋にたまたま目にした全日本女子プロレス中継でのマッハ文朱の姿に感化され、「自分は女子プロレスラーになるしかない」と決意したという。
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photograph by Sports Graphic Number