桐生祥秀が追い風参考ながら100mで9秒87を出したという一報は、間違いなくビッグニュースではあったものの、いろいろと検証が必要なニュースでもあった。
追い風3.3mでの9秒87は、公認記録となる2.0m以下の条件下であれば、どのようなタイムになったのか。これは、おおざっぱな数字であれば理論的に算出することが可能だ。世界陸上競技統計者協会の会員である野口純正氏は、さまざまな風速の場合を想定して、その理論値を計算している。それによると、追い風3.3mであれば、無風状態で走った場合より0秒25程度速くなる。ということは、今回の桐生のレースが無風の条件下だったら、タイムは10秒12くらいだったことになる。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by AFLO