#791
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<女子サッカーの未来を探る> 転換期を迎えるなでしこ育成事情。

2011/11/21
京川舞(左)と仲田歩夢
W杯優勝に沸く女子サッカー界。その屋台骨を支える育成現場に大きな変化が起きている。

 10月にベトナムで行なわれたU-19女子アジア選手権。日本はこの大会で優勝し、来年のU-20女子W杯出場権を獲得した。

 このU-19日本代表を構成する選手の所属先は大学や高校のサッカー部、JFAアカデミー、なでしこリーグ加盟クラブ、市民クラブと多岐に渡っていた。

 中でもこのところ女子選手の育成組織としての存在感を示しているのが常盤木学園高校だ。U-19代表における同校所属もしくは出身選手は計5人を数える。

 '95年の創部以来このチームを率いているのが、阿部由晴監督である。'02年に高校女子選手権で優勝すると同校の知名度は一気に高まり、今では日本各地から集まった40名ほどの部員が寮生活を送っている。これまで全日本女子ユース選手権を3度、全日本高校女子選手権を4度制した実績を誇る。そして、なでしこジャパンには鮫島彩、熊谷紗希、田中明日菜といったOGを送り込んでいる。

下級生が上級生に言いたいことも言えない環境は必要ない。

 今年のチームの主軸はFWの京川舞と、MFの仲田歩夢だ。京川はU-19アジア選手権でMVPと得点王を獲得し、仲田は同選手権の全5試合に出場した。

 2人はそれぞれ茨城、山梨の出身で、中3時に練習参加して部の雰囲気の良さとレベルの高さに惹かれ、常盤木への進学を即決した。

仲田歩夢(なかだあゆ・写真上)は、1993年8月15日、山梨県生まれ。京川舞(きょうかわまい)は1993年12月28日、茨城県生まれ

 常盤木に学年による上下関係はない。仲田によれば「『下級生が上級生に言いたいことも言えない環境は、サッカーに必要ない』っていうのが先生の考え」だという。

 だが、常盤木が各年代代表への選手供給源となった秘訣は、3年生が率先して練習後の片づけや遠征時の荷物持ちを買って出るような習慣のみにあるわけではない。

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photograph by Rin Okamoto

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