澤穂希が表彰台でW杯トロフィーを頭上に掲げた時、ようやく「本当に優勝したんだな」と多くの人が実感したのではないだろうか。大陸予選を含めれば122の国と地域が参加した今大会。その頂点に、日本が立った。通算0勝7敗1分だったドイツを準々決勝で撃破。同じく、通算0勝21敗3分だった米国を決勝で倒した。なでしこジャパンが示したのは「すべてのデータは、結局のところ過去の結果に過ぎない」という真理だった、とも言える。
文字通り、世界をあっと言わせたビッグアップセット。だが、今回のなでしこジャパンの優勝の価値は、番狂わせを起こしたという点に止まらない。彼女たちは、優勝と同時に、フェアプレー賞も受賞したのである。この賞は、ファウルや警告(イエローカード)、さらには退場の数が少なく、クリーンにプレーしたチームに与えられるものだが、1991年に始まった女子W杯の歴史上で、優勝チームがフェアプレー賞も受賞したのは初めてのことなのだ。
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photograph by KYODO