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主役の決まった牝馬路線、
牡馬のヒーローは?
~クラシック戦線を展望する~
text by
片山良三Ryozo Katayama
photograph byYuji Takahashi
posted2011/03/13 08:00
エンジンがかかるまでが遅いレーヴディソール。スタートから勝負できれば怖いものなし
寒さのせいでいまひとつ実感がわかないが、競馬のスケジュールは春に向かって待ったなしに進行中。気づけば、クラシック第1弾の桜花賞(4月10日、阪神芝1600m)まで1カ月、翌週には皐月賞(4月17日、中山芝2000m)が待ち構えている。有力馬を抱える関係者にしてみれば、すでに秒読みの声に急かされている気分に違いない。
牝馬路線にはレーヴディソール(牝3歳、栗東・松田博資厩舎)という揺るぎない中心馬が存在していて、かつてないほどの平穏ムードを作り出している。デビューから、新馬、デイリー杯2歳S、阪神ジュベナイルフィリーズと3連勝。その内容が他馬を子供扱いする、豪快な差し切り勝ちの連続なのだ。スタートが遅いという唯一の欠点は見えるものの、松田博調教師はそこをあえて矯正しようともしない。型にはめずに、持てる才能を存分に伸ばそうという方針なのだろう。