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裁決委員の制裁には、
明確な基準を設けるべき。
~競馬界で相次ぐ不思議な“事件”~
text by
片山良三Ryozo Katayama
photograph byYoko Kunihiro
posted2011/02/13 08:00
6位で入線するも13着に降着。武豊の2年6カ月ぶりの騎乗停止処分は6日までとなった
1月23日の京都競馬第6レース(3歳500万下、ダート1400m)で、武豊騎手が降着処分になった。一般ファンにも公開されたパトロールビデオを見ると、13頭立ての11番枠から好スタートを切った武豊騎乗のナムラドリーミーが、直後に内側に寄りながらのダッシュをかけたことで3頭の馬に影響を与えたことがわかる。特にエンジェルロードについては競走を著しく妨害されたと裁決委員が判断し、実効4日間という厳しい制裁が科せられた。
この裁決結果に対して、騎手や調教師から多くの異議が噴出した。つまり、スタート直後に馬がまっすぐ走らない理由のほとんどは馬自身の癖によるもので、今回のケースもまさにそう見えるからだ。しかも武豊騎手は手綱を懸命に操作してまっすぐに立て直そうとしている。それはプロ同士なら当然よくわかるので、被害馬に騎乗していた吉田稔騎手も「あれは僕の馬のハミの取り方が悪くなって、操作していたタイミングと重なってしまったんです」と、影響は大きくなかったことを懸命に訴えていたと聞く。