サハラマラソン挑戦記BACK NUMBER

サハラマラソンはリアル・ドラクエ……。
知るほどに深みにはまる砂漠の恐怖。 

text by

松山貴史

松山貴史Takashi Matsuyama

PROFILE

photograph byMiki Fukano

posted2011/03/04 06:00

サハラマラソンはリアル・ドラクエ……。知るほどに深みにはまる砂漠の恐怖。<Number Web> photograph by Miki Fukano

モロッコ大使館でショーラック次官と記念写真。後ろは国王

ネイチャー・ラン愛好家の店長からの的確なアドバイス。

 せっかくこのようなショップに来たのだから、他にも色々見てみることにしたが、実際のところ何も分からない。「砂漠を走るためのグッズと言っても、果たして一般の店員さんは対応できるのだろうか?」と思いつつ、ダメ元で店員さんに「サハラマラソンに出るのですが、他に必要なギアありますか?」と尋ねると、「なるほど」と普通に対応してくれた。このような所で働く方ともなれば、サハラマラソンを認知しているみたいだ。

 この方は店長の市橋博明さん。サハラマラソンへの出場経験はないが、100kmマラソン等にはエントリーしているらしい。市橋さんには靴下から着る服の素材まで様々なアドバイスを受けた。その助言がなければ、危うく汗を吸いやすく身体を冷やしてしまう綿素材の服を着用する所だった。他にもサングラスの必要性を教えていただいたり、ストックを勧めていただいたり……本当は過去にサハラマラソンにエントリーしたことあるのではないか? と疑いたくなるくらい知識をお持ちだった。

 よくよく話を聞くと、やはり過去に出場を意識したことがあるらしく、サハラマラソンはネイチャー・ラン(=自然のなかで走ること)愛好家にとってのマドンナ的存在だそうだ。改めてとんでもない世界に踏み込んだな、と思いつつ、レジに行くと当初買う予定のなかったハイドレーション(=ザックの中に入れて、そこから伸びたホースを胸の辺りにセッティングし、水分補給が簡単に出来るようになる機能を持つ水袋)を買っていた……知らず知らずのうちに、自分も新年会で会った“あっち側”の人間になりつつある。

 しかし、よくよく考えるとまだまだ揃えないといけない用具はたくさんある。サハラマラソンへの道のりは中々に遠い。とりあえずザックに慣れて、寝袋で眠る練習を始めなければ。

P.S.大学の先生が自分のPVを作ってくれたので見て下さい!!
http://www.youtube.com/watch?v=O1CFSm1-Yyk

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