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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
「僕たちは何も成し遂げていない」《全日本大学駅伝4位》“箱根の王者”青学大に足りない要素とは? レース後に選手が明かしたホンネ「区間賞は前提条件」
posted2026/11/09 06:04
全日本大学駅伝で4位でゴールし天を仰ぐ青学大アンカーの鳥井健太(4年)
text by

酒井俊作Shunsaku Sakai
photograph by
Yuki Suenaga
ああ、またか……。
出雲駅伝で11位と惨敗した悪夢はよく晴れた伊勢路でもなかなか消えてくれない。全日本大学駅伝の序盤戦。青山学院大の精鋭たちは状況を好転させようともがいたが、シード権の圏外である9位に沈むと、停滞した流れがつづいた。
そんな悪循環を断ち、“風向き”を変えたランナーがいた。3年生の黒田然だ。
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昨季までの大エース、黒田朝日(現GMOインターネットG)の弟である。兄を彷彿とさせるストライドで地面を力強く蹴る。中継所で襷を受けた時は8位。前を走るライバル校のランナーをとらえようと、4区のコースに飛びだしていった。
「前が見えている状況だったので、できるだけ早く追いつこうと。前半はその集団にいながら体力を少し残して、後半、また仕掛けていこうと。1km目、2km目はかなり突っ込みました」
黒田の視界には神奈川大、大東文化大、順天堂大のランナーの背中がみるみる大きく映るようになった。黒田はやがて、サングラスを外し、頭にかけた。獲物に照準を合わせたチーターのごとく、ひとりでも前のランナーを抜く意思表示であった。
黒田が見せた「流れを変える」走り
「サングラスをすると、やっぱり視界が暗くなるんです。追いかけるという意味で、もうしっかり前を見ようと」
骨盤は自然に前傾していて、力強い動きでぐんぐんと進む。5kmを過ぎると神奈川大と並走。6kmでは帝京大をとらえ、そのまま振り払う。4人を抜いて順位を一気に4位へと押し上げる力走で、青山学院大を覆っていた霧が少しずつ晴れていく。王者の反転攻勢である。
「個人的にはしっかり走れました。調子もよくて、感覚もよくて、ラストもしっかり動いていました」

