- #1
- #2
箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
「僕たちは何も成し遂げていない」《全日本大学駅伝4位》“箱根の王者”青学大に足りない要素とは? レース後に選手が明かしたホンネ「区間賞は前提条件」
text by

酒井俊作Shunsaku Sakai
photograph byYuki Suenaga
posted2026/11/09 06:04
全日本大学駅伝で4位でゴールし天を仰ぐ青学大アンカーの鳥井健太(4年)
11.8kmのコースを33分27秒の区間5位だったが、区間賞(國學院大・飯國新太)まで12秒に迫る好走だった。それでも、黒田は満足していない。
淡々とした表情を崩さないなか、口調を強めたのは「ゲームチェンジャー」という質問が記者から出たときだった。
ゲームチェンジャーは「区間賞は前提条件」
「ゲームチェンジャーになるというのは、区間賞は前提条件として、全員を倒さないといけない。それで順位を上げて、ゲームチェンジャーと言えると僕は思っています。区間賞の走りをすれば、もっと前が見えたかもしれません。あの走りで区間5位なら実力が足りません。もっと強くならないといけないですね」
ADVERTISEMENT
黒田は今年の1月2日、箱根駅伝の往路で真のゲームチェンジャーの姿を目の当たりにしている。他でもない、兄の朝日である。
5区の終盤、芦之湯で給水係を務め、先行する早稲田大の工藤慎作(現4年=八千代松陰高)を必死に追う兄を激励した。その直後に兄が工藤を逆転して勝利に導いた。然自身は登録メンバーを外れた悔しさを噛みしめながらも、ひとりのランナーとして、心を揺さぶられるシーンになっただろう。
そして、今年は着実に一歩を刻み、主力のひとりに成長した。黒田は3大駅伝デビューだった10月の出雲駅伝こそ5区7位だったが、全日本大学駅伝では4区を任されて結果を出した。ひょうひょうとした受け答えは兄と同じだ。
「僕はそんなに緊張するタイプじゃない。ある意味、出雲はプレッシャーなく走りましたし、今回は逆に周りに選手がいるので。もうやってやるぞという気持ちで、緊張することなく、覚悟をもって走りました」
黒田が好走すると、流れが上向いた。
5区の小河原が区間3位、6区を任された飯田翔大(3年=出水中央高)が4位にまとめ、レースが安定しはじめた。
箱根駅伝に向けた好材料はほかにもあった。

