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25年前に幻の「中学生ドラフト指名」が…あの大投手を獲ろうとした伝説のスカウトが語る“常勝ホークス”への道「当時は、ルールギリギリやな」 

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喜瀬雅則

喜瀬雅則Masanori Kise

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photograph byJIJI PRESS

posted2026/10/30 11:30

25年前に幻の「中学生ドラフト指名」が…あの大投手を獲ろうとした伝説のスカウトが語る“常勝ホークス”への道「当時は、ルールギリギリやな」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

ホークスの名スカウト・小川一夫が25年前に「中学生ドラフト指名」を検討した投手とは……? 写真は2軍監督時代の小川

「主だった中学生がどこの高校に入るか。そういったところからチェックして、どこよりも早く知って、早く行動を起こす。それでいかに早く獲得の意志を統一するか、なんだ」

 1998年ドラフトは「松坂世代」と呼ばれる高校生の逸材がズラリと名を連ねた。ダイエーが1位指名した九州学院の内野手・吉本亮は「中3の寒い時期、焚火をしているような時期に、フリーバッティングを見に行った」と小川はいう。まだ世に出る前、誰もまだ気づいていないような“原石”を探すべく、小川は野球関連の雑誌やTVニュースのスポーツ特集など、事細かな情報すらも漏らさぬよう、徹底的にチェックしていたという。

 2001年の夏過ぎ、小川はある野球雑誌の記事に目が留まった。

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「やっぱり、中学生のトップになると、記事ひとつにしてもちょっと違うんよ。これ、表現がちょっとすごくないか? と。昔で言えば、江川卓(元巨人投手)みたいな、ああいう怪物的な選手に対する表現とかコメントは、ちょっと違ってくるんだよな」

指名を検討した「スーパー中学生」が後に大投手に

 スカウト部長だった小川は、その記事を部下たちにも読ませた。

「このピッチャー、どこに行くのか調べてくれ」

 小川が調査指令を出したのは、大阪の「全羽曳野ボーイズ」に所属、世界大会3位にチームを導いた右腕・ダルビッシュ有だった。長身から投げ下ろすストレートは、中3の時点で144キロが出ていたと伝えられ、もはや中学生のレベルを超えていた。ただ、調査を始めた時点で、すでにダルビッシュは東北高への進学が決まっていたことが分かった。

 同校監督の若生正廣のもとから、2000年ドラフト3位指名で内野手の加藤暁彦を獲得するなど、若生との深い関係も築いていた小川は「若生さんとはケンカできん」とそれ以上の調査をストップしたという。

 野球協約では、中学校卒業見込みの選手はドラフト指名の対象になり、2026年ドラフトでは巨人が川崎市立向丘中3年の捕手で、2026年のU15W杯で日本代表主将を務めた逸材・関蓮太郎を育成ドラフト5位で指名している。小川が中3のダルビッシュ指名を検討したのは2001年のことだから、小川の発想はそれこそ“四半世紀先”を先取りしていたともいえる。

 こうした小川の情報網がフルに生かされたのが、2010年のドラフトだった——。

〈全3回の1回目/つづく〉

#2に続く
「ドラフト中継に顔写真も資料もなかった」“史上最高の隠し玉”を獲ったスカウトはいかに千賀滉大を見つけたか?「あいつは、億稼ぐ選手になる」
この連載の一覧を見る(#1〜3)

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