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25年前に幻の「中学生ドラフト指名」が…あの大投手を獲ろうとした伝説のスカウトが語る“常勝ホークス”への道「当時は、ルールギリギリやな」 

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喜瀬雅則

喜瀬雅則Masanori Kise

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photograph byJIJI PRESS

posted2026/10/30 11:30

25年前に幻の「中学生ドラフト指名」が…あの大投手を獲ろうとした伝説のスカウトが語る“常勝ホークス”への道「当時は、ルールギリギリやな」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

ホークスの名スカウト・小川一夫が25年前に「中学生ドラフト指名」を検討した投手とは……? 写真は2軍監督時代の小川

根本から授けられた教訓

 根本が球団の「代表取締役専務兼監督」という、フロントと現場の“Wトップ”としてダイエーにやって来た1992年オフ、小川は九州担当スカウトだった。

 その時の“初訓示”が、今も忘れられないという。

「野球の話とか、スカウティングの話をしてくれるのかと思っていたら、日本の未来の話だったんよ。一人で語るわけや。『これからは高速道路に、料金所に行ったらシャッターみたいなものがすっと上がって、通り抜けるようになるんだ』とかおっしゃる。今でいうETCの話。それが出る前やからね。

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 言ってみたら、野球って大きな日本の経済、社会、政治の世界があって、その中の一つ、小さな組織がプロ野球なんだと。野球界があって社会が動くんではなく、社会の中に野球界があって、それで野球界が動いていく、っていうこと。根本さんは政治家とか、大きく日本を動かすような企業の人とかとの付き合いも相当あった。そこから新しい情報がどんどん入ってくるんですよ」

 根本は常に「人」との付き合いを大事にすることを、小川に強調したという。

「胃袋の付き合いをよくしなさい、って言われたね。アフター5が大事。一般サラリーマンの営業だって一緒やん。5時までの営業時間内に名刺を配っただけで、話がそう簡単に決まるか? そうじゃない。やっぱり、胃袋の付き合いをしながら、ちょっと一献、酒を飲みながら打ち解けて、本音が出てきたときに人って見えてくる。そういったところから、親密な付き合いが始まってくるよね」

 その数字やデータでは測れない「アナログの部分」の重要性を小川は強調した。

「人間っていうのは感情。人間である以上、いつの時代もそれは変わらないと思うよ」

逸材は中学生から見て回る

 人間同士の温かみのある繋がりの中に、何らかの“きっかけ”が必ずある。小川は、根本の教えを胸に、あちこちのグラウンドへ足しげく通った。ドラフト会議が終わり、冬のオフシーズンになると、小川は評判の高い中学生の逸材を実際に見て回ったという。

【次ページ】 指名を検討した「スーパー中学生」が後に大投手に

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