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甲子園の風BACK NUMBER
「頭もいい織田翔希は東筑に来る噂あった」偏差値70の公立校・東筑ドラフトに完全密着…「記者わずか2人、指名可能性は1球団」その時、福岡は?
text by

井上幸太Kota Inoue
photograph byKota Inoue
posted2026/10/27 11:04
福岡県立東筑高校のドラフトに密着。「12球団最後の指名」その時、現場は?
「最終的に調査書も1球団だけで、あるとしたら育成指名。平山本人はそこから這い上がっていく覚悟を持っています。けど、張り切って記者会見を開くのも違う気がしまして。地元メディアからも『会見はありますか?』とご連絡をいただきましたけど、指名があった場合、後日の対応にしていただけるとありがたいです、と返しました」
指名の可能性がある選手に回答を求める「調査書」が届いたのは1球団。地元球団のソフトバンクだけだった。チャンスがあるとはいえ、その線が太いわけではない。それならば、不必要に場を盛り上げ過ぎない。指導者、教育者としての思いやりだろう。
それでも、「可能性があるならば、ぜひ」と山下に取材を懇願し、「普段通り練習をする形でよければ」と許諾されたのが、私であり、地元テレビ局1社だった。
現場はソワソワ…織田指名時の反応
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練習開始直前、1、2年生が準備しているところに平山が現れた。彼もまた、特別緊張しているようには見えなかった。感想を伝えると、平山がはにかむ。
「いやあ、そうですかね。授業はなんとか普通に受けてましたけど」
17時、練習がはじまる。時を同じくして、プロを志す者たちの分水嶺である、ドラフト会議の幕が開けた。
この日は東筑野球部がサッカー、ラグビーの両部とグラウンドを分け合う木曜日。野球部は黒土の内野部分を中心に使いながら、バント練習を兼ねた投内連携に精を出した。バントシフトで猛チャージをかけながらも進塁を許した内野手に対し、山下から「あれで刺せなかったらダメだよ!」と鋭い指摘が飛ぶ。普段通りの練習が行われている。
とはいえ、野球人にとって年に一度の関心事のドラフト会議も進んでいる。山下らスタッフ陣も、折を見て自身のスマートフォンで配信映像をチェックする。画面上の円卓では、各球団が1位指名の入力を終えていた。
ほどなくして、アナウンサーが各球団の“ドライチ”を読み上げる。ドラフト会議が最も盛り上がる瞬間だ。ドラフト会場が一番のどよめいたのは、巨人の1位指名で横浜の織田翔希の名前が読み上げられたとき。メジャー挑戦を明言している逸材に、球界の盟主が果敢に手を伸ばしたシーンだった。織田は、東筑のある北九州市の出身でもある。

