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《カムバック賞から2年連続二桁勝利》大野雄大38歳が語る“こだわりを捨てた先の投球術”とは?「若い頃はピッチングを深く考えていなかった」
text by

渕貴之Takayuki Fuchi
photograph byKiichi Matsumoto
posted2026/11/05 11:01
3度目の全盛期を迎えている大野。カムバック賞受賞の2025年は11勝、2026年も10勝を挙げた
2026年シーズンも10勝を挙げ、2年続けてチームの勝ち頭となった。堂々のエース。モデルチェンジの成功は疑いようもない。
「でもね、いまのスタイルはあまり好きではないんです。やっぱりパワーピッチングが好きですし。それに、投手としていつまで通用すんのやろという怖さは常に持っています。平均球速が落ちゆくのを実感するなか、どこまでごまかせるかですね。でも、怖さがさらに技術を磨くことも実感しています。怖いから真っすぐを速く見せる方法を考えるし、バッターが嫌がるスタイルを追求する。若い頃は真っすぐで押しまくるだけで、ピッチングを深く考えていなかった。この歳になって、ようやくこだわりを捨てられたんです」
ベテランが語る“心技体”
3年連続二桁勝利の2013~2015年、11勝中、10完投・6完封を記録して沢村賞を受賞した2020年に続き、大野は3度目の全盛期を迎えている。だがその間の2018年は未勝利に終わるなど、不振の時期もあった。
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「当時、世間ではいろんなことを言われましたけど、結局のところ成長する意思がなかったんです。練習もするし、試合への準備もして全力で挑むんですが、現状維持で満足してしまっていた。2019年シーズンが始まる前も自信を取り戻していなかったんですが、その年、新監督となった与田(剛)さんに『自分を信じろ。俺たちはお前のことを信じてるから』と言葉をかけていただいた。誰かが信じてくれる。そこでスイッチが入りました」
与田の言葉で現状維持の惰性から脱却し、石伊の言葉でこだわりを捨て新たな投球術を身につけた。壁にぶつかるたび、誰かの言葉で心の在りようが変わり、新たな投手像で結果を残してきた。
「野球はやっぱりメンタルのスポーツだと思います。ぼくはドラゴンズで長年投げてきて、だいぶメンタルが強くなりました。心技体とはよく言われますが、心が最初に来る、その順番が絶対に重要なんです」
Sports Graphic Number 1155
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