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《カムバック賞から2年連続二桁勝利》大野雄大38歳が語る“こだわりを捨てた先の投球術”とは?「若い頃はピッチングを深く考えていなかった」
text by

渕貴之Takayuki Fuchi
photograph byKiichi Matsumoto
posted2026/11/05 11:01
3度目の全盛期を迎えている大野。カムバック賞受賞の2025年は11勝、2026年も10勝を挙げた
持ち味の真っすぐとツーシームをより活かせるようになり、勝利を重ねてカムバック賞を受賞。2011年の入団以来、2023年までの13年で積み上げた勝利は84。実績十分の大野を変えたのは、先入観なしで大野の球を受けた新人の言葉だった。
「2024年の時点で、岩瀬(仁紀)さんに『雄大、そろそろモデルチェンジしてかなあかんよ』と言われていたんですが、ぼくはその時、『無理ですよ、このスタイルで生き続けてダメやったらユニフォーム脱ぎます』なんて答えていたんです。そのときは、モデルチェンジという言葉を“0か100か〞のイメージで捉えていた。技巧派に変わるならヤクルトの石川(雅規)さんみたいな、あのレベルを想像していたんですよ。そうなると、俺には多彩な変化球もないし、コントロールもそんなによくないしって、当時は極端な考え方しかできてなかったんです。だから岩瀬さんの言葉を受け入れられなかった」
パワーピッチングへのこだわり
スラーブを投げ始めて、真っすぐを速く見せる術も覚えた。だが、それはいわば投球術の基本中の基本。大野ほどの投手が知らないはずはない。まして中日には、同じ左で投球術を駆使して長く活躍した山本昌のようなお手本もあったはず。
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「うん……結局パワーピッチングしかないって感じだったんですよね。もちろん、何年も何回もカーブを練習したんですけど、カーブというと今中(慎二)さんや小笠原慎之介(現・巨人)のような最高レベルの変化を求めてしまう。もちろん投げられるわけもないから諦めてきたんですが、石伊の言葉をきっかけに、自分なりの緩急を意識できるようになりました」
