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プロ野球PRESSBACK NUMBER
〈織田を強行指名〉衝撃の裏で阪神が成功させた「してやったり」サプライズ指名「藤川球児監督は珍しくジョークを」現場で見た巨人・阪神それぞれの覚悟
text by

佐井陽介Yosuke Sai
photograph byYuki Suenaga
posted2026/10/24 11:35
ドラフト会場入りする巨人・水野雄仁編成本部長(左)と阪神・藤川球児監督
したたかに“一本釣り”成功の阪神
一方、ドラフト1位指名で報道陣を驚かせた球団は巨人だけではなかった。ライバルチームの阪神もしたたかにサプライズ指名を成功させていた。まだ巨人強行指名の余韻が冷めやらぬ時間帯、12球団の大トリで榊原七斗の一本釣りを決めたのだ。
この明治大学の左打ち外野手はもともと5ツールプレーヤーとして評判が高かった。だが、12球団屈指の熱狂度を誇る虎党の多くは驚きを隠せなかったことだろう。ドラフト当日、関西のスポーツ紙は軒並み青山学院大学の捕手・渡部海を1位指名の最有力候補に挙げていたのである。
藤川監督はドラフト終了後、「フロント、編成スタッフの皆さんのイメージ通りのドラフトになったと思います」と冷静に振り返った。その上で報道陣に対する情報管理について質問が飛ぶと、「昨日も言っていた通り、本当に決まっていなかったので分かりません。メディアの皆さんの考えられることは左右できない」と穏やかな表情でけむに巻いた。
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とはいえ、畑山俊二統括スカウトは別のタイミングで番記者に対して「会心ですね」「してやったりという部分はあったかもしれないですね」とコメントしたと報道されている。阪神は巨人とは違う形で「覚悟」を体現した、ということなのだろう。
喉から手が出るほど獲得したかった「本命」
阪神は今秋、大きな節目を迎えた。球団初のセ・リーグ2連覇を果たしたあと、クライマックスシリーズのファイナルステージでDeNAにまさかの4連敗を喫して終戦。その直後、メジャー挑戦を希望していた佐藤輝明に対して、今オフのポスティングシステム使用を容認したのである。
球団40年ぶりの三冠王を達成した直後の主砲が流出すれば、誰の目から見ても大きな痛手に違いない。再びゼロからチームを作り直す上で、ドラフト戦略を重視するのは至極当然の流れでもある。かくして阪神の編成サイドは海千山千の番記者勢を相手に見事なまでに“本心”を隠し通し、最も欲しいプレーヤーの単独1位指名に成功した。

