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「大谷翔平でも清宮幸太郎でもなく…あの5球団競合は震えた」ドラフト会議“声の人”関野浩之アナ(64歳)が語る驚きの抽選劇と“運命の1日”舞台裏
posted2026/10/22 11:07
当日は朝に会場入りし、持参したマイクをセッティングする。一日の進行とオペレーションを確認し、資料を整理して夕刻の開始に備える。
text by

谷川良介Ryosuke Tanikawa
photograph by
Shigeki Yamamoto
◆◆◆
2009年秋。47歳の時にプロ野球ドラフト会議の司会を頼まれた関野浩之は、しばらく自分の役割を勘違いしていた。
「(仕事を受けたとき)てっきり、菊池雄星くんとか有力候補の紹介VTRのナレーションか、会場を温める前説かと思ったんです。前説なら『皆さん、期待してらっしゃいますか!』と盛り上げて、終わったら『いかがでしたか』と締める。そんな仕事かと思ったら、どうやら違うらしいぞ、と(笑)」
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リハーサル当日。広いホテルの会議室に関係者がずらりと並び、関野は真ん中の席に座らされた。手渡された台本を、恐る恐る1枚ずつめくる。「第1巡選択希望選手」の文字の横に、赤字で関野と書かれていた。任されたのは、指名選手の名前の読み上げだった。
「うわ、本当に俺がやるんだ、と。僕はあまりドキドキしないほうなんですけど、あれは人生で一番緊張した瞬間かもしれません」
翌年も続けられる保証はない。だから、それまでやってきたことの総決算のつもりで、悔いのないように読んだ。それから17年、その重責を担い続けてきた。
驚いた指名「やっぱり大谷翔平」ではなく…
印象に残った指名を尋ねると、関野は少し笑って打ち明けた。
「よく『やっぱり大谷(翔平)くんでしょ?』と聞かれるんです。だから、そう答えるようにしているんですけど、実はそうでもなくて(笑)。競合の数なら、7球団が重なった2017年の清宮(幸太郎)くんが一番ですよね。その話もよくします。でも本当にびっくりしたのは、2016年の佐々木千隼くんなんです」
この年の1巡目の入札では、田中正義に5球団、柳裕也に2球団が集中した。抽選で外れた5球団すべてが、“外れ1位”に佐々木の名前を書いた。
「1回目には名前が挙がっていなかったのに、全部来た。ストレートフラッシュが揃ったような気持ちでした。あれはちょっと、震えましたね」

