- #1
- #2
プロ野球PRESSBACK NUMBER
「行くか、行かないか」巨人・織田翔希“強行指名”の舞台裏〈松井秀喜監督誕生〉前夜の緊迫「編成本部長の顔は強張ったまま」ドラフト会場で何が起きたか
text by

佐井陽介Yosuke Sai
photograph byYuki Suenaga/JIJI PRESS
posted2026/10/24 11:30
巨人の横浜高・織田の強行指名は大きな注目を集めた
1週間前の15日、横浜高校の織田翔希が米国でのマイナー契約、もしくは米大学進学を目指す意志を表明した。最速157kmを誇る右腕はNPB入りを表明した場合、1位競合が確実視されていた。日本球界のドラフトで1位候補となる高校生がNPBを経由せずに米球界に挑戦するとなれば事実上、初めてのパターンとなる。そんな有事が発生したことで、今秋のドラフトはさらに混迷を極めた。
残された数少ない1位候補の中から誰を選ぶのか。それでも織田を強行指名する球団は現れるのか。各球団による情報戦が続く中、にわかに注目を浴びたのがソフトバンクである。
昨季の日本一チームで今季パ・リーグ3連覇を果たした常勝軍団はドラフト前日、興味深い挙動を見せていた。報道陣に囲まれた城島健司チーフ・ベースボール・オフィサーが「織田強行指名」の可能性をにおわせたのだ。
ADVERTISEMENT
ソフトバンクは1年前のドラフトでもメジャー挑戦が有力とされていたスタンフォード大学の佐々木麟太郎を1位指名し、DeNAと競合の末に交渉権を獲得していた。この大砲は結果的にマーリンズに奪われたとはいえ、果敢に攻め抜いた姿勢は今も記憶に新しい。
「強行指名、ありそうだな」漂う緊張感
ドラフト開始直前、全国から12球団の番記者が集結したプレスルームでも「織田」「ソフトバンク」というフレーズが頻繁に飛び交っていた。
〈強行指名、ありそうだな〉
〈いやいや、現実的ではないでしょ〉
真偽不明のウワサも飛び交う中、16時50分にドラフト会議は幕を開けた。
楽天を皮切りに、1位指名選手の名前が画面に表示されていく。「織田」の名前は呼ばれるのか否か。11番目のソフトバンクに向けて緊張感がピークに達しつつあったとき、全国の野球ファンと会場の報道陣はまさかのアナウンスを耳にして、間違いなく不意を突かれた。
「読売 織田翔希」
10番目の巨人が大方の予想を裏切って強行指名に踏み切ったのである。

