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「これは結構難しい問題で…」陸上女子トラック“最古の日本記録”はなぜ18年も破られない? 400m“日本最強コーチ”が分析する「納得のワケ」

posted2026/10/09 11:40

 
「これは結構難しい問題で…」陸上女子トラック“最古の日本記録”はなぜ18年も破られない? 400m“日本最強コーチ”が分析する「納得のワケ」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

女子400mで今季の日本選手権を制した松本奈菜子(東邦銀行)。同種目の日本記録樹立は実に18年前まで遡るが、停滞の理由はどこにあるのだろうか?

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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Asami Enomoto

 陸上競技では近年、用具の進化もあり「不滅」と言われた記録が次々に更新されている。そんな中で、今なお更新されない記録もある。その1つが女子400mの日本記録だ。2008年に千葉麻美(旧姓・丹野)が樹立した51秒75は、18年もの月日が流れたいまも破られず、女子トラック主要種目においては最古の日本記録となっている。世界のレベルがどんどんと上がる中で、なぜ日本のロングスプリント界は取り残されているのか。その課題を指導の第一人者に聞いた。《NumberWebインタビュー全3回の1回目/つづきを読む》

 シューズ等の進化もあって陸上競技の各種目で好記録が相次ぐなか、2025年は女子400mでも少しだけ盛り上がりの兆しを見せた。

 当時ペルー国籍だった青木アリエ(日本体育大学)が日本記録を上回る51秒71をマークし大きな話題を集め、そのレースで2着だった松本奈菜子(東邦銀行)は、日本歴代2位の52秒14をマーク。松本はその後、アジア選手権で優勝し東京2025世界陸上にも出場を果たした。日本人が世界大会の個人種目400mに出場するのは、日本記録保持者の丹野麻美(現姓・千葉)以来のことだった。

 しかし結局、丹野が持つ51秒75の日本記録が塗り替えられることはなかった。

なぜ「18年も」日本記録が更新されない?

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 丹野が2008年5月に打ち立ててからすでに18年の月日が流れ、今やその記録は、女子トラックの主要種目で最古の日本記録となっている。

 日本勢の足踏みが続くなか、世界に目を向ければシドニー・マクラフリン(アメリカ)やマリレイディ・パウリノ(ドミニカ共和国)が、マリタ・コッホ(東ドイツ)の世界記録(47秒60)に迫る47秒台をマークしている(※コッホの記録は“不滅”と言われる一方で、ドーピング疑惑も根強い)。

 傍から見れば、世界との差は開く一方にも見えてくる。女子のロングスプリントでは日本勢がなかなか世界の舞台で戦えないのが現状なのだ。

「これは結構難しい問題で、ですね――」

 そんな現状について話を振ると、その原因について松本を指導する東邦銀行の吉田真希子監督は、こう切り出した。

【次ページ】 大学で「世界が遠くなる」…構造的な問題も

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