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「世界から最も遠いトラック種目」女子ロングスプリントは復活できる?…五輪は“4大会出場ナシ”でも「難しくはないと…」“世界との壁”を崩すには
posted2026/10/09 11:42
現在の日本女子スプリント界を引っ張る松本奈菜子と井戸アビゲイル風果の東邦銀行コンビ。吉田真希子監督が語るそのポテンシャルは…?
text by

和田悟志Satoshi Wada
photograph by
Asami Enomoto
陸上競技では近年、用具の進化もあり「不滅」と言われた記録が次々に更新されている。そんな中で、今なお更新されない記録もある。その1つが女子400mの日本記録だ。2008年に千葉麻美(旧姓・丹野)が樹立した51秒75は、18年もの月日が流れたいまも破られず、女子トラック主要種目においては最古の日本記録となっている。世界のレベルがどんどんと上がる中で、なぜ日本のロングスプリント界は取り残されているのか。その課題を指導の第一人者に聞いた。《NumberWebインタビュー全3回の3回目/最初から読む》
2008年に丹野麻美(現姓・千葉)が打ち立てた陸上・女子400mの日本記録51秒75。18年もの間破られずにいるこの記録を更新する一番手と目されているのが、丹野の後輩に当たる松本奈菜子(東邦銀行)だろう。
18年ぶり日本記録に向け…「材料は揃っている」
「難しくはないと思っているんですよ。本当に」
松本を指導する吉田真希子監督も太鼓判を押す。その根拠はこうだ。
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「松本は、丹野がやっていた練習どころではない強度で練習ができています。51秒前半ぐらいのタイムを出してもおかしくないぐらい。材料自体は揃っているので、時が来て『ああ、こういうことね』っていう感覚が掴めれば、51秒前半のタイムでポンポンポンポン走れると思います」
このチームには51秒台のノウハウがあり、チームメイトとして現役時代の丹野の練習を間近で見て来た吉田が言うのだから、説得力がある。丹野や吉田が現役だった頃に比べると練習量は少しだけ少ないという。だが、それは強度の高い練習を課していることの裏返しでもあった。
松本は近年、52秒台前半でコンスタントに走っており、昨年は日本歴代2位の52秒14をマークしている。
吉田が、松本が一皮剥けたと感じたのが、昨年5月に韓国・クミで開催されたアジア選手権だった。
「初めて私に『今日は勝ちます』って宣言したレースだったんです。彼女はそういうことをなかなか口に出さないのですが。それで実際に優勝しましたから。彼女の成長というか、変化を感じた機会になりました」

