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「これは結構難しい問題で…」陸上女子トラック“最古の日本記録”はなぜ18年も破られない? 400m“日本最強コーチ”が分析する「納得のワケ」 

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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photograph byAsami Enomoto

posted2026/10/09 11:40

「これは結構難しい問題で…」陸上女子トラック“最古の日本記録”はなぜ18年も破られない? 400m“日本最強コーチ”が分析する「納得のワケ」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

女子400mで今季の日本選手権を制した松本奈菜子(東邦銀行)。同種目の日本記録樹立は実に18年前まで遡るが、停滞の理由はどこにあるのだろうか?

 国際大会の構造までが複雑に絡み合い、問題を解決するのは一筋縄とはいかなそうだ。それだけに、吉田は今季から創設された新たなカテゴリーの誕生が解決の糸口になることに期待を寄せている。

「今年、U23のカテゴリーができて、U23アジア選手権が開催されました。そういった点でこれから良くなっていくことを期待しています」

 もう1つ、ライバルたちが切磋琢磨し合う環境がなかなかないことも、この種目の問題点にある。

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「男子100mで9秒台がポンポンポンと出たのは、彼らのコミュニティーがあったのが大きい。みんなフランクに話をするし、コーチ陣たちの交流もあったからだと思います。『どんなことをやってるの?』みたいな会話もあり、互いに関心を持って接しているのはあると思います。女子の100mハードルもそう。最初に12秒台に突入した寺田明日香さんのフラットな人柄も大きくて、選手間での交流がありました」

 国際大会に出場する選手が少ないことと決して無関係とも言えないが、活況を呈している他種目では当たり前の現象が、女子のロングスプリント界隈ではなかなか起きにくい現状が事実としてあるのだ。

かつての日本にあった「切磋琢磨」の環境とは?

 一方で、遡ってみればかつては国内に“そんな環境”があった時代もある。

「ちょっとガラパゴス化していましたが、福島大の中ではそういう現象が起きていました」

 吉田はかつて日本の女子短距離界を席巻した福島大学の出身だ。卒業後も大学院、社会人と福島大を拠点に競技を続け、400m日本記録保持者の千葉ともチームメイトだった。

 もともとは800mに取り組んでいたが、名将・川本和久監督の指導を受け400mハードルでその才能が開花。幾度も日本記録を更新し、2003年にマークした55秒89の自己記録は今なお日本歴代2位にランクインしている。

【次ページ】 共有されていた「世界基準」との“差”

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