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「これは結構難しい問題で…」陸上女子トラック“最古の日本記録”はなぜ18年も破られない? 400m“日本最強コーチ”が分析する「納得のワケ」
text by

和田悟志Satoshi Wada
photograph byAsami Enomoto
posted2026/10/09 11:40
女子400mで今季の日本選手権を制した松本奈菜子(東邦銀行)。同種目の日本記録樹立は実に18年前まで遡るが、停滞の理由はどこにあるのだろうか?
400mでも実績があり、日本選手権では2002年、03年と2年連続で400mハードルとの二冠を成し遂げている。また、女子4×400mリレーの日本代表の常連で、同種目で日本代表が世界選手権に初出場(自国開催の1991年東京大会を除く)した2001年のエドモントン大会では4走を担った。
共有されていた「世界基準」との“差”
「私がエドモントン世界陸上に行った年に、福島大の1年生に久保倉さんや木田さんがいました。世界陸上ではとてつもない差を感じたので、『世界はこんなだった』とか『こんなんじゃ全然ダメだ』っていうことを常日頃彼女たちと話していました。
私自身が世界を目指していましたし、そこに後輩たちも乗ってきて、同じペースで練習をしていました。そういうところから始まりました。フィールドには池田(久美子、現姓・井村)さんもいて、いろんな種目で世界大会に行くような子たちがいたので、おのずと世界に目が向きますよね。“これだけのことをやっているんだ”っていうのがみんな分かっていたので、努力の質というか方向性が共有されていたんじゃないですかね」
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後に吉田の記録を破って400mハードルの日本記録保持者となる久保倉里美や、吉田と共に4×400mリレーで日本記録を打ち立てた木田真有(現姓・佐藤)らと共に高いレベルで練習に取り組んだ。さらに走幅跳の日本記録を打ち立てる池田もおり、常に世界を意識していた。
2004年4月には丹野が福島大に入学し、その2カ月後のアジア・ジュニア選手権でいきなり52秒88の日本記録を打ち立てた。
一方で、丹野が「さぞ褒めてくれるだろう」と想像して福島に戻ると、練習をともにする先輩たちは「おめでとう、良かったね」と声をかけてくれたものの、意外なほどあっさりした反応だったという。
当時の福島大の日常は、日本記録保持者でも特別扱いされることはなかった。だからこそ、気を抜くこともできなかった。
<次回へつづく>

