濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
山本美憂(52歳)人生初の“圧巻KO劇”はなぜ生まれたか? ボクシング日本デビュー戦で奪った“2度のダウン”の真相「あんな倒し方ができる女子選手は…」
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橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph bySusumu Nagao
posted2026/09/23 17:04
9月15日、田口智香から2度のダウンを奪い勝利した山本美憂
ボクシングは2戦目でも、人生のほとんどを“闘う”ことに懸けてきた。そしてボクシングが格闘技人生で最後のチャレンジ。「チームで行けるところまで行きたい」と言う。長谷川会長にとってもチャレンジだ。
「素質は無茶苦茶あります。ただ年齢と闘わなきゃいけない。僕らも52歳で試合したことないですから。練習も手探りです」
それでも、今後について「記念でやる必要はない。やるなら何かしらのタイトルを」と明言していた。
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「そうじゃないとボクシングに失礼ですから」
本人は「練習ができるうちは(試合を)やります。練習できないのにリングに上がるのは失礼なので」。
「KIDがやれなかったことを」
試合が行われたのは、2018年に41歳の若さで亡くなった弟、自らを“格闘技の神の子”と呼んだKIDの命日の3日前だった。
「KIDがやれなかったことをやれました。自慢します」と美憂。入場時にはKIDの写真が入ったTシャツを纏っていた。
年齢のことは気にしていないし、体力が落ちたと感じることもないそうだ。もちろん気力も。
「好きなことを毎日できるのが凄く幸せで。幸せがいっぱいあれば元気もいっぱいみたいな」
オリンピックというアスリートの一大目標がない時代に女子レスリングを開拓。RIZINには旗揚げ初年度から参戦した。女子レスリングが五輪種目になると、カナダ代表としての出場を模索するなど執念を見せてもいる。格闘技を愛し、格闘技に愛された人生は挑戦の連続だ。その汲めども尽きぬエネルギーには感服するしかない。山本美憂もまた“神の子”だったのだ。

