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ボクシングPRESSBACK NUMBER
「本当に俺、試合できるのかなって」那須川天心が明かす井上拓真戦後の“偽らざる”本音「地に堕ちたいくらいの感覚…自分のことを疑いもした」
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byIchisei Hiramatsu
posted2026/09/26 11:05
WBC世界バンタム級王者・井上拓真との再戦を前にインタビューで本音を語った那須川天心。その偽らざる心境とは…
「頭がぶつかって、僕も相当痛かったとは思うんですけど、まったく気にならなかった。腹を括れているので、もらわないようにしようと思うんじゃなくて立ち向かっていこうとする気持ちが先。かつ怖さがないといけないと思うんです。それが自分のなかでつくれた。負けた後の再起戦でいきなり強敵とやって大丈夫かっていう声はありましたよ。でもそこに立ち向かうことができて、自分自身にも打ち勝つことができた。ボクシングだけじゃなく、人間的にも自分を何倍も成長させてくれた試合にはなりました」
すべてが順調だったかと言ったら、まるで違う。
2連敗したらもう後がなく、それも相手はエストラーダ。「追い込まれた」からこそ「振り切れた」に結びついた。
「本当に俺、試合できるのかなって」
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所属する帝拳ジムと、ボクシング転向のきっかけとなった恩師、葛西裕一氏が主宰する「GLOVES」でのトレーニングを軸にしつつ、父の弘幸氏が代表を務めるキックボクシングの「TEPPEN GYM」に通った。原点回帰をテーマに、模索が続いた。スパーリングで良かった日もあれば、良くなかった日もある。むしろ後者のほうが多かったかもしれない。
「(エストラーダ戦に向けて)本当に俺、試合できるのかなって思ったこともありましたよ。地に落ちたくらいの感覚にもなりました。自分のことを疑いもした。いや、何度も何度も疑った。でもそこまでいかないと見えない光があることを知ったんです。自分と向き合うのってどこか怖い。目をそらしたくもなるけど、そらせない。そんな日々を繰り返していくと、人間的にも強くなっていくことが分かる。自分を疑えば疑うほど、強くなれるという感覚を得たことが一番の収穫ではありました」
これはエストラーダ戦限定の話ではない。井上とのリマッチが決まってからも、自分を疑い続ける那須川天心がいた――。

