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ボクシングPRESSBACK NUMBER
「本当に俺、試合できるのかなって」那須川天心が明かす井上拓真戦後の“偽らざる”本音「地に堕ちたいくらいの感覚…自分のことを疑いもした」
posted2026/09/26 11:05
WBC世界バンタム級王者・井上拓真との再戦を前にインタビューで本音を語った那須川天心。その偽らざる心境とは…
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
Ichisei Hiramatsu
井上拓真とのリマッチ会見で“不満”
那須川天心は、何だか尖っている。
WBC世界バンタム級王者・井上拓真へのリマッチが発表された7月の公開会見。新宿・歌舞伎町の野外で実施され、ボクシングファンからの質疑応答も設けられなかったことやサプライズ感のなかった進行に対して表情でも発言でも不満を隠さなかった。
ふと思った。
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かつての彼なら不満を、おそらく苦笑いくらいにとどめて皮肉を含めたユーモアに変換していたはずだ、と。昨年11月、井上に格闘キャリアで初めて土をつけられてから、那須川は明らかに変わった。荒ぶると言うべきか、反発心や反抗心もエネルギーにしようとしていることがうかがえる。今年4月、不利予想も多かった元2階級制覇王者ファン・フランシスコ・エストラーダとのWBCバンタム級挑戦者決定戦の事前会見では「(予想なんて)そんなのくそくらえ。あっかんべーです」と感情をストレートに表に出していた。思いのたけをぶつけるように軽量級のレジェンドに9回終了TKO勝ちを収めて、リマッチへの権利を手にした。
那須川は言う。
「(以前と違うのは)思ったことをちゃんと言うってことですね。こうしなきゃっていうより、こうしたいというものを出していく。8月に28歳になって裏テーマは“グレる”なんです。嘘をつきたくはない。たとえ周りの人が気分を害するみたいになっても気にしない」
グレる、とは那須川らしいエッジの利いた表現ではある。つまりは周りに合わせるのでなく、自分の信念に従って己を隠さず出していく。不満を示したリマッチの会見も、そこに基づいたうえでの言動であった。
「テレビにしてもラジオにしても会見にしても自分は本気でやっていますし、いいものにしたい。(一緒につくっていく)相手だってプロ。あの会見のことで言えば、何もアクションを起こさなかったら自分の思いに反することになる。だから自分の哲学を貫き通したっていうだけですね」
ベクトルは常に自分「俺はそれでいいのか」
他者に向けられているようで、ベクトルの先は常に己にある。
俺はそれでいいのか、自分らしくあるのか――。
ボクシングそのものとて同じだ。


