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ボクシングPRESSBACK NUMBER
「本当に俺、試合できるのかなって」那須川天心が明かす井上拓真戦後の“偽らざる”本音「地に堕ちたいくらいの感覚…自分のことを疑いもした」
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byIchisei Hiramatsu
posted2026/09/26 11:05
WBC世界バンタム級王者・井上拓真との再戦を前にインタビューで本音を語った那須川天心。その偽らざる心境とは…
井上とのファーストマッチは、相手が3ラウンドからプレッシャーを強めて前に出てきたところをうまく対応できなかった。迷わされ、考えさせられてペースを渡したまま引き戻せなかった。結局は井上のボクシングに付き合わされたことが、初めての敗北につながった。
だからこそエストラーダとの一戦は自分主導を貫き通そうとした。そのためには先に当てていくジャブがカギを握った。角度を変え、リズムを変え、うるさいくらい突きまくった。
「相手に触れる最初のパンチですから、練習からこだわってはいました。ジャブはやっぱり少ないより多いほうがいい。ただジャブうんぬんより、(気持ち的に)振り切れたことが大きい。追い込んでやってきたことが、そのまま自分のスタイルとして出た試合ではありました。(井上戦で)待ちの姿勢、受けの姿勢だったものを、自分からアクションを起こして試合をつくっていく。その片鱗を見せられたかなとは思うんです」
公開採点「ちょっとデジャブ感はありました」
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ジャブの突き合いでは不利とみたのかエストラーダは前に出てきた。それでも相手の思うようにさせまいとボディを中心にパンチをヒットさせ、守勢に回らなかった。
4ラウンドまでの公開採点は、那須川優位かと思いきやジャッジ2者が38―38のイーブン。採点は重要ではあれど、他者の目に対しあまりに引っ張られて自分を見失いかけてはいけないことは前回で十分に学んだ。
「ちょっとデジャブ感はありました(笑)。でもそこに動じないというか、このままいけば絶対いけると思いましたから」
迷うなかれ、動じるなかれ――。
人間的に何倍も成長させてくれた試合
主導権は我にあると言わんばかりにフットワークを使って持ち味のスピードを活かしつつ、多彩なパンチを当てていく。そして迎えた6ラウンドに見せ場が訪れる。強引に入ってきたエストラーダを迎え撃とうとし、頭と頭がぶつかることも覚悟のうえで左ボディを腹にめり込ませた。偶然のバッティングで中断したが、効かせるボディショットになった。単にうまく当てるのではなく、ぶっ倒してやるという気概が拳に乗っていた。

